2019.5頃
β開発も無事に終わりましたので、早速 すぐ使用できるように、接続済みのキットを制作しようと取り掛かりました。
まずは β商品のように、ファストンをつけ、熱収縮チューブをつけて、いくつか作成したのですが、強く引っ張るとどうしても抜けてしまいます。
ファストン自体を ペンチなどでつぶしてもだめした。たしかにそう簡単には抜けないので、まず大丈夫ですが、長く使うと何か起こるかわかりません。
結束バンドで補強しても同じでした。配線が苦手なお客さまが長く使うことを考えると固定したほうがいいに決まっています。もし長く、使用していて途中で抜けたりすると、どれにつなげばいいか わからなくなってしまいます。
なので、やりたくなかったのですが、ハンダづけにて 試作することにしました。
ハンダづけの風景です。久しぶりにやるとカンを取り戻すまで時間がかかります。なかなかうまくつかないですね。
配線を12本ほど処理しますので、予想通り大変でした。ただ何個かつくっているうちに慣れてきますので、ファストンでやるよりも楽な気がしてきました。ただ慣れてきても1時間に2-3セットぐらいしか作れないです。
セコセコと制作していると、工場労働者映画『女工哀歌』気分を少し味わえました。本当に中国の工員たちには頭がさがります。
「これは中国に制作を依頼したい!」 と 思ったのですが、経験上100単位になり、100本程度では大して安くなりません。特に最近は高くなっています。当店で100本売ることもかなり疑問ですので、やっぱり 当店でつくることが現実的なようです。よなべしながら制作します。
さらに、イグニッションコイルの接続部分キボシ部分もラベルではなく配線の色でわかるようにしました。ラベルだと 長く使用するとはがれたりしますので。バイクのハーネスにいろいろな色があるのと一緒ですね。
また β開発中では ハーネスを2個のAとBのCDIに分けて 接続しましょう。と書いたのですが、ハーネスを分けて結束バンドなどで固定すると結局ハンダ接続部分に余計な力がかかりそうなので、やめました。
後は使用してもらって 問題がでてくれば、改善するつもりです。
2019.6.3頃~
2個化ハーネスキットを制作していて、CDI直流化用のハーネスキットも作りたくなりました。ずっと前から、CB125Tの直流CDIは 販売していたのですが、直流化の配線に関しては、自分でやってくれと ユーザーに任せてしまっていました。配線加工などが嫌いなお客さまには、ちょっと不親切だなあ とずっと思っておりました。私も以前はバイクの配線図などが大っ嫌いでして、サービスマニュアルの配線図を見るといつも頭痛がしていました。電装の解説を何度も読んでも理解できなかったですし、もちろん、今でもバイク整備関連では嫌いな部類です。
フュージョン250などのスクーター系のCDI直流化では、レギュレータからの黒線がとりやすく、ホンダ系スクーターでは、いつもこのパターンでした。参考リンク
ならば、CB125Tのレギュレータの黒線はどうだろうかと、ネットで色々しらべたのですが、いい情報がありませんでした。どうやら、CB125Tのレギュレータは交換が大変なようです。
では、CDIの直流化している 情報はどうだろうかとネットで調べるも、こちらも いい情報が見つかりません。そもそも 実車なしで このような開発はちょっと厳しいですね。
よし、困ったときは、詳しい人に聞くしかない! と、CDI直流化に成功しているあるお客さまにメールを送りました。
すぐに返信をいただけまして、さらにとてもいい情報をいただけました。
メーターボックス内に黒線の配線がひとつ余っており、そこにつなげば、メインハーネスに加工しないで済むとのことでした。さらに線の長さも50cmもあれば足りるとのことでした。ならば、もう ここに決まりですね。わざわざレギュレータ付近から引く必要ないですね。
CB125Tの配線図を確認すると後期型のライトスイッチ類の配線で黒線がひとつあまっていました。前期型だとふさがっていますので、ライトスイッチなのかなあと思いました。(後期型だとライト常時ONだと思いますので。)ここから CDIへの直流線を引けますね。
後期型では あまっていますので、そのまま オスギボシで OKですね。前期型は間にうまくかませるように配線をつくればいいですね。
よし、それでは 早速 試作してみよう と思ったら、黒線がありません。国内で調達すれば、すぐに手に入りますが、面倒なので中国の配線屋にまとめて発注です。いつも こんな感じなので 開発スピードがのろいですね。
2019.6.20頃
中国から コードや ホンダ専用ギボシが届きました。黒線をたのんで、あんなにしつこく言ったのに、届いたのは 赤線でした。ホントに中国はいつもこんな感じなので、困ります。CDI側の線が赤線なので、仕方がないので、妥協します。
それでは早速、試作にとりかかります。
最初はよく あるY型の二股にしました。
まず試作したものがこれです。分岐するところに強度が足りなくて、結束バンドで補強しました。なんか 納得がいかないので、しばらく悩んでいると 気が付きました。2口キボシがあるから、それにつなげば、加工も楽だし、強度も十分ですね。
それでできたものがこちらです。
大分スマートになりますね。最初に気が付くべきなのですが、こういうのはなかなか気が付かないですね。これでシンプルに CDI2個分 直流線が引けますね。
また 実は ホンダ車のギボシは一般サイズより小さめでした。日本でよくあるホームセンターなどにあるものは直径4mmほどで ホンダ車のギボシは3.5mmほどでした。なので、もし4mmで作ってしまうと CB125T側のメインハーネスにダメージがいきますね。ギボシの穴が広がってしまいますね。最初は気がつかず あやうく4mmでつくるところでした。3.5mmサイズが中国ですぐに見つかったよかったです。
さて、ここまで できたら、次は CB125T 前期型用の CDI直流化 2また接続キットをつくります。
6.27頃
CB125T 前期型用の CDI直流化 2また接続キット 試作品です。やっぱり最初は 2口ギボシに気が付かず つくってしまっていました。
できたはこちら
分岐部分を強化したところがポイントです。熱収縮チューブをライターであぶるので少し手間ですね。配線に割り込みができれば、メインハーネスに加工しないで済むのがいいですね。
これで CB125Tの CDI直流化 やりやすくなると思います。ぜひどうぞ。
2021.10頃~
国内のCB125Tにて、CDI流用でかなり珍しいケースがありましたので、こちらに報告します。1個のCDIで2個化ではないのですが、2個のCDIをそれぞれ変換ハーネスを利用することで走行できるようになりました。
実際に利用したものです。中華CB125Tの直流CDIをメインハーネス側に合わせて作成しました。
車体番号は
JC06-1004xxx
1982年製のフルモデルチェンジ後の最初期(CB125TC)の型かもしれないとのことです。
コムスターホイール、強制開閉式キャブが装着されており、バッテリーは12Vです。
まず、12VでJC06-100といのがレアでした。12Vの初期型のようですが、とりあえず、当方のパーツリストでは JC06-1 10からはじまっており、記載がなかったです。もともと存在していないと思っていました。さらにネットでもCB125Tに詳しいサイトを見ても記載がありません。 CD125Tもそうなのですが、この時代のパーツリストやサービスマニュアルにはミスなどがあり、あまりあてになりません。さらにCB125Tは教習車などもあるので、さらに複雑なのかもしません。
せっかくですので、お客さまからいただいた情報です。
↓↓↓↓原文↓↓↓↓
実働の状態で知人から譲り受けましたが、
アイドリング時に回転が乱れ、
エンストしそうになる症状が起こりました。
このとき距離30000キロ。
アイドリング不安定の原因は片肺になってしまっていることでした
。
点火系回りのチェックをし、プラグコードからの漏電を発見し、
コード及びプラグを新品にしたが改善せず。
キャブのスローが詰まっているのかと思い、
分解清掃するも改善せず。
バルブクリアランスが狂っているのかと思い、
調整するも改善せず。
バルブにカーボンが噛み、圧縮が抜けているのかもと思い、
圧縮を測定。数値は良好でしたが、腰上の分解清掃、
バルブ擦り合わせを実施しました。
それでも改善しなかったので、メカではなく、電気を疑い、
パルスコイルを購入。
パルスコイルのみの交換よりも、点火系を一新しようと思い、
プレコミモーター様に相談。
↑↑↑↑原文↑↑↑↑↑
という経緯でした。まず大きな違いは CDIのカプラでした。
左の2個が JC06-100のCDIで 右の2個が中華のCDIです。カプラが違いますので、取り付けられないです。
さらによく見ると、4ピンと3ピンで、ひとつのCDIに7配線あります。中華も国内CB125Tも2個CDIモデルは ひとつのCDIに6配線で、ひとつ増えています。これは少し難しそうです。
変換カプラを作成するために、ハーネス側の色を教えてもらいました。
①青に黄ライン
②黒に青ライン
③緑
④緑に白ライン
⑤黒に白ライン
⑥白
⑦青
とのことでしたので、4ピン側は中華と同じなのですが、3ピン側はよくわかりません。さらにお客様が配線図らしきものを見つけてくれまして、どうやら、エキサイターコイルが2本接続しています。不鮮明だったため、確定はできないのですが、5番がSW(スイッチ)で6番と7番がエキサイターコイルに接続しているようです。中華も国内もエキサイターコイルは1本で接続しているので、エキサイターコイルが合わない可能性もでました。個人的な予想では、どちらかをアースに落とせば、エキサイターコイルも利用できそうだと思いました。ただいずれにしても 30年超えているので、エキサイターコイル自体もそろそろ寿命だと思います。となるといつも通りCDIの直流化がベストです。古いパーツは一新が楽です。特に古いバイクの電装はすべて一新するのがセオリーだと思います。今回のケースでは パルスコイルも新しくしていますので、イグニッションコイルも新しくしていただきました。(点火系のパーツがすべて新品になりました。)ちなみにイグニッションコイルの形状が少しちがうようで、少し加工がいるとのことです。
その後、CDIなどのパーツの交換などを繰り返し、走行できるようになりました。直流のCDIを定角と進角のものを試した結果、進角の方が調子がよかったようです。
結局 点火系の部品をすべて新品にすることが必要でした。パルスコイルが古いままだと アイドリングはするが、アクセルを上げるとエンストするなどがありました。
交換した 新品パーツは
・イグニッションコイル
・ピックアップコイル(パルスコイル)
・CDI(直流 進角)
です。CDIの形状にあわせて、変換ハーネスも利用しています。
点火プラグも新しいものと思います。
CDIを直流化していますので、エキサイターコイルは古いままで新品にする必要がないです。(CDIが交流のままだと、旧車はエキサイターコイルも新品する必要がほとんどです。)
変換ハーネスでキルスイッチも使用できるように5番の接続も配線しておきましたが、
もともとの車両のスイッチ類が改造されており、キルスイッチがなかったので、今回は不明です。おそらくですが、もしノーマルのままだったら、直流化してもキルスイッチ利用できると思います。(当店の直流CDIはSWをアースに接続するとエンジン停止(点火停止)する設定です。CB125Tはキルスイッチでエンジン停止させたいときはアースに接続しています。)
もし 他にも JC06-100という レアな CB125Tをお持ちでしたら、ぜひ参考にどうぞ。ひょっとしたら、6VのCB125Tもこの角型の7配線のCDIなのかもしれないです。
もし、6VのCB125Tで点火系を一新しようと思ったら、12V化して、同じように点火系を変更すればなんとかなるのでは とも 思います。ひょっとしたら、6VのCB125Tが CDIでなく ポイント式や トランジスタ式かもしれませんので、その場合はさらに難しくなります。(11.16追記 6VのCB125Tはポイント式のようです。12VになってCDI化されたようです。)
せっかくなので、利用したパーツのリンクです。
CB125T パルスコイル ピックアップコイル
イグニッションコイル
ハーネスをこちらで作成希望でしたら、2つで2000円で承ります。
その際はメールなどください。
直流進角CDIと接続した写真です。配線などの参考にもどうぞ。
2021.11.16追記
JC06-100について調べていましたら、なんとパーツリストがありました。なので、早速手にいれてみました。よくよく調べてみると同じパーツリストも複数ありましたので、特にJC06-100が珍しいわけでもないかもしれません。JC06-100の車体はある程度生産されたのだと思います。せっかくなので紹介します。
JC06-100は 機種名では CB125TDc で 1982年式のようです。なのでJC06のD型といえばいいかと思います。(あるいは Dc型 なのか、それとも CB125TDの C型なのかもしれません。)
白黒写真ですが、車体写真です。ちゃんと角目です。おそらく角目の初めてのモデルです。12V化のはじめてのモデルだとも思います。
表紙にはフレーム番号などがないのですが、このページのみでようやく JC06-100のことがわかります。なので、ずっとJC06-100がないと思っていました。
こちらが以前から私が所有している。JC06の最終?版のパーツリストです。7版で、2001年発行です。JC06-110でF型からはじまっているのがわかると思います。JC06-100のD型がありません。
さらに調べてみると、JC06のパーツリストで、2版~7版のすべてに JC06-100のD型の記載がありません。JC06-100のD型はまるでなかったかのような あつかいです。(2版にいたっては表紙が間違って発行されています。表紙には JC06-100のF型とありますが、JC06-110のミスプリです。)
JC06の1版(初版)になると、JC06-110のF型のものと、JC06-100のD型のものがあります。ここからもJC06は 110のF型から再スタートしているのがわかります。JC06-100のD型とJC06-110のF型は別車種のような扱いです。パーツリスト的にはCB125TDとCB125T(JC06)は違う車種ということなのだと思います。
ちなみに他のホンダのパーツリストではほとんどが仲良く一緒に1冊にまとまっています。(水冷のスペイシー125のケースで は型式が違うJF02とJF03が1冊になってたりします。)
JC06-100のD型は なぜ同じJC06なのに仲間はずれにされてしまっているのでしょうか・・・。
パーツリストをながめてみると、JC06-100のD型と、JC06-110のF型に関してはかなり共通部品があります。キャブやエンジンだけでなく車体部品もかなり共通です。一番違うのは 点火・発電などの電装部品です。メインハーネスに関しては JC06-110のF型以降は2個CDIモデルに関してはずっと共通です。この部分が 仲間はずれにされた理由かもしれないです。ただ他のホンダのパーツリストではこのような違いでも同じ本・版になっています。やはり謎です。他にも気が付いたのは、1982年のパーツリストは 写植かタイプライターなどで書かれたようです。ひょっとしたら、この時期に手書き管理からワープロ化・データ化管理などに大きく更新したのかもしれないです。80年代はPCなんてほとんどなかったようですから、スマホのある現代すごいですね。時代を感じますね。
1982年発行のJC06-100のD型のパーツリストの内容です。番号や文字がまっすぐでなく ゆがんでいる・ばらついているのがよくわかると思います。最近の印刷物だときれいに横一直線に並びます。
JC06-100のD型がまだ何台も残っているかもしれませんので、そのうち変換ハーネスの商品ページも作成しようと思います。 (ほぼないみたいなので、商品ページは作成しないです。バラで購入してください。)
2023.3.9追記
また、JC06-100のD型の方が現れたので 報告します。
しかも なんと 沖縄の方でした。(『すごいサア~』)
この方のケースでは CDIのみを変更するだけで、高回転までエンジン回るようになったとのことです。パルスコイルは交換しなくても大丈夫だったとのことです。つまり JC06-100も それ以降もパルスは共通な可能性が高いです。
利用されたCDIはこちらです。
こんな感じに配線を作成したと思います。
つづくかも
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