バイク (旧車) イグナイター 点火器 点火ユニット の フルトラ化 CDI化 の 研究 実験(ヴェクスターのフルトラ化 2020.8頃開始)
≪はじめに≫
点火器に関して、ボルティー250はフルトラ式で、グラストラッカー(キャブ車)はCDI式です。ヴェクスターも含めて ホンダ車はほとんど CDI式だと思うのですが、私はずっと ボルティー250などのGN250系もすべてCDI式だと思っておりました。違いに気が付いて ようやく理解できたのは最近2020年になってからです。あるお客さまの指摘によってようやく気が付くことができました。お恥ずかしいかぎりです。当店を古くから利用されている方はお気づきだと思いますが、当店は電装・特に点火器が好きで力を入れています。ヴェクスターだけでなく、絶版になってしまった点火器を何種も開発してきました。最近だとCB125TのCDI2個化やCD125Tの後期型CDI などです。(そのうち情報を整理します。)
フルトランジスタ式とCDI式の説明はここではできませんので、検索するなどしてください。簡単にいうと 点火方式が全く違い 互換性ないです。キャブとインジェクションぐらい違うといってもいいぐらいです。(ちょっと言い過ぎですね。交流CDIと直流CDIぐらいの違いですかね。よけいわかりにくいですね。)まあ どっちにしても バイクの電装に興味がない人にはどうでもいい話で、パワーアップなどのメリットがあって、さらに簡単に利用できるなら試したい程度でしょうね。私も昔はそうでした。(2020.8.21追記 シンデンゲンのページに解説がありました。最新式点火ユニットでの説明ですが、わかりやすいです。https://www.shindengen.co.jp/products/electro/motorcycle/dccdi/)
よくよく調べてみると ヤマハ系はフルトラ式が多いですね。当店でいえば、XV250、マジェスティ125 マジェスティ250などなどでフルトラ式です。
てっきり、フルトラ式は旧車用で、CDI式に劣ると思っていたのですが、違うようです。シグナスXでさえフルトラ式ありますので。最近だとTCI式(Transistor Controlled Igniter)などとも言われています。
(2020.8.19追記 ひょっとしてと思って、アドレスV125も調べてみたら、初期型はCDIで途中からフルトラになっていました。)
一般的に言われているのは 低回転はフルトラで高回転はCDIがよいとのことです。でも ヴェクスターから見ると シグナスXは高回転型だと思います。単気筒なら13000rpmも回せないので、この程度ならフルトラで十分なのかと思ってしまいます。さらにエンジンを回さない燃費重視野郎(私)にはフルトラの方がいいのではとも思います。となると ヴェクスターをフルトラ化したくなるのが、オーナーの気持ちですね。ヴェクスターのフルトラ化なんて聞いたことないので、早速やってみようと思いました。さらに言うと ボルティーやグラストラッカーで フルトラ化⇔CDI化できると面白いですよね。実はすでに中国にてマッピング可能なフルトラ式の点火器見つけました。将来的にはGN250系でチューニング イグナイターを設定できそうでいいですよね。夢はいくらでも広がるのですが、現実は甘くないです。まずは一歩一歩やっていきます。まずは ヴェクスターのフルトラ化です。そしてインターネットでCDI車でフルトラ化した人がいなか調べてみましたが、ほぼ見つけられません。まれにフルトラ車の方がCDI化するぐらいでした。さらに言うと、ほとんどの方がCDIとフルトラを混同していて、情報が滅茶苦茶で調べるのも大変でした。(もちろん私も最近ようやく区別できるようになったのですが。)仕方ないので、いつも通り自分でやるのみです。実験で壊れても直せばいいだけのことです。
では、まずはフルトラの理解からです。まずはわかりやすいGN250系の直流フルトラ式のイグナイターのシステム図です。おそらく一般的な直流式のフルトラのイグナイターです。
GZ250のシステム図です。GZ250のマニュアルよりです。一番シンプルな回路だと思います。わかりやすくていいですね。(メーカーに著作権帰属します。URLの表記は盗用防止のためです。)
そして、ヴェクスターの直流式のCDIのシステム図です。
ヴェクスターの直流式のCDI(8ピン)のシステム図です。マニュアルよりです。サイドスタンドスイッチ類や PTC回路を除けば、普通の直流式CDIシステムです。GZ250より少し複雑ですね。
両方とも直流でそろっていますので、比較が楽ですね。CDIには旧車は交流式多いですので、おそらく交流式のフルトラ式のイグナイターも存在しているのでしょう。なので、今回は直流式の電装での比較ですので、流用する方は注意してくださいね。もとが交流CDIだと 直流配線を作成しないと直流式のフルトラのイグナイター利用できません。CDIの直流化と同じですが。参考こちら
では、早速フルトラとCDIのシステム図をみて 比較してみると パルス
入力は同じそうな感じで、進角を決めるマッピングのCPU(コンピューター)も同じような感じです。さらに、もともとヴェクスターにて GN125用のパルスは流用できることを知っていましたので、おそらくパルス入力は大丈夫でしょう。イグニッションコイルの配線のみ違うのではないかと思いました。違いは イグナイターから コイルへの入力配線を除くと もう片方の配線が CDI式はアース線で、 フルトラ式は +12V線に接続していることです。見事逆になっていますね。
なので、結論は 単に イグニッションコイルをフルトラ式のものに交換して、このイグニッションコイルにプラス線をつなぐだけで、いけると思いました。元CDI車のフルトラ化は イグニッションコイルをフルトラ式に交換して、キーonで+12Vが流れる線を探してきて、この線をイグニッションコイルにつなぐだけだと思いました。くどいですが、前提条件として同じ直流式でパルス入力も同じでないとだめです。なので、場合によってはパルスが拾えないときは パルスコイルの変更が必要になると思います。(ただしこれは現実的ではないと思います。)
ちなみに、イグニッションコイルを混在させるとうまくいきません。過去にCDI式の点火器に フルトラ用のイグニッションコイルをつないで使用したことがありましたが、すぐに壊れました。2-3か月で点火しなくなりました。フルトラ用の一次コイル入力は12Vで、CDI用のの一次コイル入力は200V程度と聞いたことがありますので、10倍以上の電圧がありますので、耐えきれませんね。すぐに切れてもおかしくないと思います。逆(フルトラ車にCDI用のイグニッションコイルを利用)はまだやったことありませんが、やる意味が感じられないので、おそらくやりません。ただ聞いたところでは点火して利用はできる、走行はできるレベルのようです。気が向いたときにやってみます。
ではせっかくですので、逆も考えてみます。もとはフルトラ式のバイクをCDI化するときはどうすればいいのか。『ボルティー250・GZ250をCDI化するにはどうすれば、いいでしょうか?』です。
また同じように、同じ直流式で、パルスも利用できて問題ないとします。
結論はおそらくですが、CDI用のイグニッションコイルを用意して、このイグニッションコイルに新しくアース線をつけるだけでいけると思います。ボディアースやエンジンアース車がほとんどですので、もっと簡単ですね。あまってしまったもともとイグニッションコイルにつなぐ線は+12V線ですので、ショート防止のためにも必ず絶縁するぐらいでしょうか。
おそらく、この改造は他の人もたくさんやっていると思いますので、ネットにて検索してみてください。
では 早速 今回は ヴェクスター(CDI車)のフルトラ化ですので、早速実験してみます。
≪ヴェクスター(CDI車)のフルトラ化の実験テスト≫
まずは、部品を用意して、配線を作成します。最初ですので、実車にて点火すれば、OKです。
用意したものは
GN250用のイグナイター(フルトラ式)
と
GN250用のイグニッションコイル(フルトラ式用)です。
あとは 8ピン用のオスカプラです。
他にもリード線やギボシなどがありますが、割愛。
ヴェクスターの点火器への接点は8ピンですので、これにあわせて配線します。接続するのはメインハーネス側になりますので、反転させてからです。私は間違えないように、まずはCDIと接続したまま メインハーネス側にラベリングします・しるしをつけます。
これが、GN250の配線図です。ヴェクスターのメインハーネスにあわせてつなぎます。特に難しいことありませんね。そのままつなぐだけです。ex GN250のパルス+は ヴェクスターのメインハーネス側のパルス+につなぎます。以下同じです。
できたものが こちら↓です。
ヴェクスターのメインハーネスに合わせて配線したものです。実際は作成時に撮影していなかったので、テスト後に取り外したものです。GN250イグナイターへの接続に6ピンカプラを使用していないのは別のイグナイターも試す計画があったからです。実車なしで室内にて制作したので、IG配線は車体ハーネスを経由せずにイグニッションコイルに直結しています。(後日のテストにて、CDIとフルトラをすぐに交換できて正解でした。)
早速 ヴェクスターに取り付けます。CDIをはずして、GN250のイグナイターを取り付けます。次に点化プラグにプラグキャップをつけかえます。(イグニッションコイルもGN250用に交換します。)最後にコイル用の+12V線をとります。次の写真です。
イグニッションコイルのプラス側 +12V線はあまっているオートチョークラインから取りました。メインハーネス側の+12Vに割り込ました方が楽なのですが、電流不足を考慮して、あえて近い場所を選びました。今思うとどちらでもOKだと思います。
では、テスト結果です。予想通り、点火はすぐしました。点火プラグをはずして目視にても確認しました。一応アイドリングもする、低回転のトルク強い、そして爆発音大きくなりました。うわさ通り、低回転強くなっていました。そして、走行テストしてみます。
なんとか走れるが、ギクシャク感がすごくて、走れたものではありませんでした。一応70キロ程度まではでました。(すべて私有地テストコースにて)あきらかに進角マップがあっていない感じでした。キャブセッティングにてどうにかできるかもしれないのですが、現時点でCDI式では通常走行できていますので、キャブセッティングする気ありません。
こうなったら、いつも通り、別のフルトラ式のイグナイターを試そうと思いました。とりあえず、点火していますので、CDI車(バイク)のフルトラ化は成功ですね。あとは楽に 実用に耐えうるイグナイターが見つかることを祈るばかりです。
早速 元にもどし (CDI式に戻し) 走行して、帰宅します。
その後(だいたい一週間後)、あらたに2種 点火器を用意しました。
GN125用とGS125用です。いつも通り、まめに写真をとりませんので、ほぼ結果だけです。
フルトラ式のイグナイターを入れ替えいく イメージ写真です。左がGN125用、中がGS125用 右GN250用 です。イグナイターごとに配線を合わせてつなぎます。
実験結果です。
まず、GN125用です。詳細はこちら
なんとか アイドリングできるが、アクセルをあげるとエンジンがとまります。アイドリングのみできるのみで、ほぼ走行できませんでした。GN250と進角マップかなり違うのですが、だめでした。とても悔しい!
つぎにGS125用のイグナイターです。詳細はこちら
エンジンかかりません!アイドリングどころではありません。ごくまれに爆発するのみでした。点火プラグを外して 点火テストするとあきらかに火花が飛んでいます。つまり全く 点火マップがあっていないとうことですね。GS125とGN125かなりちがうかもしれません。溜息がでます。まあエンジン壊れなくてよかったです。以前のCDI開発のときはセルケッチン多発してワンウェイクラッチにダメージいきました。
・・・・・3種試しましたが、全滅でした。個人的にはGN250かGN125がいけるのではないかと思っていましたが、見事予想が外れました。またいやな予感がします。しかし、まだ中国にはフルトラ式のイグナイターがまだありますので、リベンジかけます。(最後はプログラング式もありますので)個人的印象なのですが、プルトラ式の点火は CDI式とくらべて着火速度が遅いのかなあと思いました。なので進角が全然あわないのかと。次も何種かイグナイターをテストしますので、中華サイトにてイグナイターをあさっていきます。今のところ よさそうなのは中華マジェスティ250用ぐらいしか見つかりません。ひまを見て 調査をつづけています。
2020.9.1頃
フルトラ式の点火ユニットを探しているうちに、ふと思い出しました。当店がCDIの特注をしているJP(精派JING PAI電器 以下JP のことです。中国の電装工場・メーカーです。)にもひょっとして、フルトラ対応の点火器があると思い、早速問い合わせみました。そうしたら、EN125用があるとのことでした。そして、点火特性について聞いたら、マップを教えてくれました。コロナショックでたまたま時間があったのでしょうか。なんとマップはきれいな曲線で、なめらかでした。このマップを見て即 ほしくなりました。いろいろGN125系(EN125も)のマップを見たことがあるのですが、JPのマップのように最大進角20度のものもないですし、さらにはピークが2つもあるのがすごいと思いました。S字カーブといってもいいですね。早速仕入れます。案の上、『この点火器はフルトラ用だからCDI式には使用できないよ。』と しつこく注意されます。やっぱり中国でも区別できない・わからない人が多いようです。
これがそのマップです。きれいに細かく設定されているためほぼ曲線にみえますね。通常ノーマルのマップは直線でかかれています。リニアです。
こんな感じです。
EN125だけでなくGN125系の人もこれはほしくなると思います。GN125系の8Pイグナイターはおそらく種類が多すぎて、マップの区別がつきにくいですし、純正で買ってもマップ選べませんので。おそらくGN250系も利用できると思うので楽しみです。
こちらが届いたイグナイターです。詳細は こちら
早速 ヴェクスターとの接続キットの製作にかかります。
この図がJPのENイグナイターの配置です。通常のEN・GN系は4配置なのですが、JPのものはRPM出力が余分にあるのだと思います。通常は4配置なのですが、JPのものは一つ多いですね。あるいはノーマルENのモデルによっては RPM出力があるのかもしれません。とにかく、ユーザーとしては RPM出力があるのでお得ですね。さすがJPです。ヴェクスターには電気式タコメーターないので、今回は利用しないです。8ピンになってどんな配線が増えるのかと思っていたら、1つ減っていますね。さらに合理化していますね。アースとパルスアース(PC-)が共通になっていますので、流用するときはこのイグナイターのアースに パルスアースも接続することが必要になると思いました。おそらく8ピンイグナイターのEN・GN系はパルスアースがアースと接続しているのでしょう。ヴェクスターの配線図をみるとパルスアースがアースに接続していませんので、このイグナイターのアースに パルスアースも接続します。
早速できたものがこちらです。今回は珍しく使用前の写真です。このイグナイターのアースに パルスアースも一緒に接続します。また今回はイグニッションコイル用の+12Vもイグナイター側からとりますので、さらにすっきりします。ただ実際はあまった配線を再利用したので、きたないですね。試作なのでこんな程度です。
このイグナイターのアースに アースとパルスアースも一緒に接続している接続ギボシです。二股キボシがあるとすっきりしますね。
イグニッションコイル用の+12Vもイグナイター側の+12Vと一緒に接続します。配線のオスメスが合わず、このためにだけに切る・作成するのもいやなので、仕方がないので、無理やり余った接続キットをつなぎます。(この後裏目にでます。)
早速 ヴェクスター車体に接続します。今回はイグニッションコイル用の+12V線をオートチョーク配線からとる手間が省けてよりすっきりしています。この写真は点火テストの写真です。点火プラグも別のを用意していますので、いちいち車体からはずさないでいいので楽です。が、しかしセルスタートボタンを押しても点火しません。なぜ? あせります。またもう一度配線図などを1から確認します。そして、ただ単に イグニッションコイル用の+12V線がはずれていただけだとわかりました。やっぱり適当な配線加工だったので、少し移動しただけで抜けてしまったのです。まさに急がば回れになってしまいました。炎天下の中、1時間ほど無駄にしました。接続を確認し直したら、あっさりいつも通りバチバチ点火しました。点火テストOKです。つぎは エンジンにてテストです。
おそらく、走行はできないだろうと予想していましたので、家の前でエンジンもテストします。点火・爆発は十分します。同じような タイプのGN125の5線タイプよりもアイドリングしやすいです。ただやはり、アクセルを開けるとエンジン止まってしまいます。マップが大きくあっていないのでしょう。走行テストするまでもありません。ただこのENイグナイターは なぜかとっても爆発音が強いのです。やっぱりJP製のイグナイターはすごいのかもしれません。まあ 予想どおりなので、次のイグナイターに期待です。予定ではもう2個程度しかありません。もともとフルトラ式のイグナイター自体がCDIと比べると本当に種類が少ないです。プログラミングイグナイターも最後はやりますが、その前にキャブセッティングなども含めて少し考えたいと思います。とりあえず、現時点では薄々仕様でして、たしMJ90番ぐらいだったと思います。ノーマルより10番以上落としています。限界まで下げています。例えると、居酒屋でサワーを口にして、『なんだこのサワー 薄すぎるぞ、酒はいってのか!ふざけんな つくりなおせ!』という怒り出してしまうレベルだと思います。
せっかくですので、興味ありましたらフルトラ化した動画の視聴をどうぞ。ノーマルCDIと比べると音の強さがわかると思います。同じ条件で撮影しています。フルトラ化するだけで爆発音がカスタムSRみたいになります。つまりグラストラッカーではCDIのままではいくらマフラーなどかえてもいい音でないのではと思いました。おそらくフルトラ化には勝てないでしょう。低回転のテイストや渋さを出すにはフルトラ化でしょうね。
ヴェクスターのフルトラ化した音(EN125のJP製イグナイター使用)
30秒 MP4形式 10メガ程度くりっくしたらいきなり再生すると思います。 動画こちら
ヴェクスターのノーマルCDIでの音 6メガ 動画こちら
ついでに ヴェクスターのRC CDIでの音 ノーマルと比べるとあまりわからないです。6メガ 動画こちら
2020.9.20~
ボルティー前期イグナイター6ピン用の変換カプラを2種製作しました。フルトラのままですが。
GN125 5線用 詳細などこちら
GN125 8線用 詳細などこちら
ボルティー用のCDI化キットを早くやりたいのですが、まだまだ先になりそうですね。ボルティー前期用のフルトラ用のイグナイターが先です。これで、ボルティーにてフルトラ用の選択イグナイターがぐっと増えます。当店だとまだ3種ですが、8Pタイプをもう少し入れていくつもりです。ボルティー前期のフルトラ式はこんな感じで、最後にCDI化やろうと思っています。ただCDI化に興味ある人がいるか微妙なところです。CDI化できるとさらに選択幅増えますし、さらに寿命が伸びると思います。CDIの方がフルトラより将来的にはあると思います。例えば、20年後にGN125系のフルトライグナイターが中国でなくなっても おそらくホンダかぶ系のCDIはまだあると思います。余計な心配だとも思いますが。。。まあ 高回転追求する方やレースやる人にはやっぱりCDIだと思います。ただ次は ボルティー後期用8PのGN125系への変換カプラの方が先だと思います。古い順ですね。
2020.10.2頃
ヴェクスターにて新たに2種 イグナイターをテストしました。上の写真には4つ写っているのですが、試したものは2番のYM8P(右上)と4番のYM5P(右下)です。他のものはすでにテスト済みです。
YMはYEMAの略でして、中国の重慶にある電装メーカーで、重慶松明電器のものです。当店ではイグニッションコイルなどがあります。このメーカーは進角特性・進角マップを教えてくれないので、しかたないので、こちらである程度の判別テストをします。
ではテスト結果です。
2番のYM8P アイドリングはするが、走行できない。アクセルをあけるとエンジンが止まりそうになります。3番の三信電気の5線タイプと同じ印象でした。おそらく最大25度なのでしょう。詳細はこちら
三信電気の5線タイプが実は絶版になったので、助かりました。
次に 4番のYM5P です。安定してアイドリングします。走行できますが、50キロぐらいまでで、とっても走りにくいです。中華GN250のものと似ている感じはしましたが、こちらは70キロまででますので、また違うのだと思います。あらたな 進角マップだと思います。GN125系のイグナイターがいろいろ進角マップがあることがわかりました。
今回も2種テストしましたが、だめでした。次はレーシングイグナイターをテストします。そのあとはキャブセッティングをノーマルに戻してテストをやり直そうと考えています。当初は簡単にヴェクスターのフルトラ化できると思っていたのですが、なかなか難しいですね。
2020.10.9頃~
なかなか、ヴェクスターにてまともにフルトラ化できずに、悩み もんもんと過ごしています。中国にてもマジェスティ250系のイグナイターもなぜか数が少ないようで、仕入れたいものが見つかりません。現時点ではGN系ぐらいしかフルトラのイグナイターは安定的になさそうです。
実は別件のパーツ開発にてトラブルがありまして、点火器などの電装をまた一から調べ直しました。そこで気が付いたのですが、実はパルス入力がうまくいっていないのではないかということでした。この開発の前提でGN125系とヴェクスターのパルス入力は同じで問題ないと思っていました。しかし、実は違うのではないと疑いがわきました。当店にも ヴェクスターとGN125系のパルスコイルの単体パーツがありますので、抵抗値などを調べてみると、GN125のコイルは130Ωで、かなり低かったです。ヴェクスターのものは210Ω,gn250のものは217Ωでした。
GN125のコイルがかなり低いのが気になります。てっきり200Ωぐらいだと思っていましたので。ヴェクスターにてこのGN125のパルスコイルを流用はできるが、GN125にてはヴェクスターのパルスが合わない可能性があると思いました。つまり GN125系のフルトラ式のイグナイターにはGN125系のパルスコイルでないとうまく利用できない可能性があると思いました。
そこで ネットでも調べてみます。さすがにGN125の情報はみつかりません。そしてガンマのCDIの開発などをしている人がパルス入力を合わせるために わざわざ回路を組んでいるのを見つけました。その方は電気回路に詳しいので、オシロスコープにてパルスの波形分析をしていました。パルス入力には正相入力と逆相入力があるようで、ガンマに合わせるために波形の位相を入れ替える回路を自作して、見事にガンマのCDIとして利用されていました。その方は パルス入力の位相を入れ替える回路を公開されていますので、ひょっとしたら、ヴェクスターにても利用できるかもと思いました。しかし 回路をみてもなぜ位相が入れ替わるのはよく理解できないです。ブリッジ回路のような気もしますが、抵抗値の指定もありますので、抵抗値の計算ができません。物理の授業をさぼっていたのが悔やまれます。試しに作ってみようかと思いましたが、よく調べてみると その方のガンマのパルス入力は+のみでした。つまりパルス線の片側がフレームアースと共通なのです。ヴェクスターはパルス回路が+とーですが、フレームアースには落ちていません。接続していません。単純に パルス配線を入れ替えるだけで位相を逆にできるのではかと思いました。なので、とりあえず、パルス配線を入れ替えて、やってみて だめだったらその回路をつくろうと思いました。
早速 パルスコイルを変換するカプラをつくりました。パルスコイルとメインハーネスの間に取り付けます。はずせば元通りなので、すぐに元にもどしてもとのCDIなども利用できて便利です。
ついでに8ピンタイプのイグナイターの配線もガッチリ作り直しました。さらにすっきりしていますね。
分岐するところもちゃんと配線を作り直しました。これで簡単に抜けることはありません。
それでは 実車(ヴェクスター)にてテストです。
まずは、パルス入力を逆にするために 変換カプラをパルスコイルとメインハーネスの間に取り付けます。こうすることでイグナイターへ入力が逆になるはずです。
イグナイターとイグニッションコイルを車体に取り付けます。最初はJPの8Pのイグナイターをテストします。
そして、セルをスタートしてテストしてみました。容易にエンジンがかかり、なんと なんと アクセルワークにエンジンがついてくるではないですか。アクセルを上げるとエンジン回転数もあがります。ちゃんとついてきます。(感動) 以前のテストでは エンジンのかかりも悪かったですし、アクセルを上げるとすぐにエンジン止まります。ついに走行できそうな予感です。早速、走行テストしたいのですが、実はリアホールが削れてしまい、リアタイヤが回らず走行不能なので、これを直してからです。あまりにうれしかったので、また動画を撮りました。アクセルワークにエンジンがついてくるのがわかると思います。
珍しく予想があたったのでよかったです。パルス入力を逆にする回路をつくるのも避けられました。GN125のパルスコイルの抵抗値が低いのは問題ないようです。これにて走行テストなどもすべてやり直しですね。ヴェクスターのフルトラ化の先が見えてきました。パルス入力を逆にすることに気がつかなかったら、キャブセッティングをしたり、さらにはプログラミングイグナイターにしたりして さらに泥沼化していたかと思いうとゾッとします。いやーここまで長かった・・・と思ったら3か月もたっていないですね。
ヴェクスターでパルス入力を逆にしてフルトラ化した音
(EN125のJP製イグナイター使用)
25秒 MP4形式 10メガ程度くりっくしたらいきなり再生すると思います。動画こちら
同じイグナイターでパルス入力そのままなのが下です。(以前のものです)アクセルワークについてこないですし、エンジン回転数あがりません。
30秒 MP4形式 10メガ程度くりっくしたらいきなり再生すると思います。 動画こちら
次は別のイグナイターにてテスト予定です。
(2020.10.15追記)
なんで、GN125とヴェクスターのパルス入力は逆になっているのでしょうか。コスパ重視(コストダウン重視)のスズキがわざわざ逆にしたら、コストが上がってしまうので、なんでだろうと思いました。そこでひらめきました。おそらく、ヴェクスターはGN125のローターを利用してコストダウンしているのではないかということです。ヴェクスターのローターを設計するときにGN125のローターを利用したため、逆になったと思います。というのは、ヴェクスターとGN125のマグネットローターの取り付け向きが反対なので、ローターの回転も反対になります。
パーツリストありますので、その写真です。
こちらがヴェクスターで、
こちらがGN125です。左側がどちらも進行方向なので、エンジンに対してお椀の向きが逆になっているのがわかると思います。ヴェクスターはお椀の底が外側に向いていますが、GN125はお椀の底が内側に向いています。
マグネットローターのお椀の向きは車種ごとにちがいますので、流用などするとパルス入力が逆になってしまうのでしょう。おそらく。
さらに少し調べてみると パルス入力が逆相になっているなどは旧車などで、ある程度あるみたいです。今までCDIなどの流用実験で、このことを知らなかったのはだめですね。たまたまうまくいくものが見つかっただけで、流用するときもパルス入力も考慮しないとだめなのですね。今回の実験でわかったことはヴェクスターとGN125のパルス入力が逆・反対になっていることです。ヴェクスターのパルス入力が逆相なのか正相なのかはまだわかりません。判定するにはオシロスコープが必要ですが、当分買う予定ないです。だれか知っていましたら、ぜひ教えてください。点火器の電気回路奥が深いですね。
2020.10.16頃~
ようやく、ヴェクスターのリアホイールを直したので、GN125のイグナイターの走行テストを軽く行いました。今回の走行テストでは、3つのイグナイターの走行テストをパルス入力を逆相にして、行いました。
まず、GN125用の5線タイプです。詳細はこちら
めちゃくちゃ速い!加速バッチリで、明らかにノーマルCDIより上です。体感ではレーシングCDI並です。とりあえず、80キロまでスムーズに走行確認できました。実用性十分です。やりましたね。ヴェクスターのフルトラ化成功って言えると思います。次は最高速なども試してみます。
次はJPのEN125用の8ピンイグナイターです。詳細は こちら
十分速いです。80キロまで確認しました。SX5Pのもの(上のもの)と比べると少し遅いです。加速が少し落ちます。が、ヴェクスターのノーマルCDIより速いと思います。つまり実用性十分です。多少 アフターファイヤーなどがでるときもありましたが、気にならないレベルでした。このイグナイターでも日常ユースできると思います。このイグナイターでもヴェクスターのフルトラ化できると言えると思いました。ノーマルCDIよりパワーありますし。
つぎにGS125用のイグナイターです。詳細はこちら
エンジンたまにしか かかりません。アイドリングできません。だめですね。パルス入力を逆にしても以前と大差ない感じです。
今回は3つのフルトライグナイターをテストして、2つも実用性十分でしたので、とてもいい結果だと思います。
点火マップを考察すると、GN250の最大進角35度ではだめで、GN125の最大進角25度で一番結果がよく、EN125の最大進角20度でも実用性ありましたので、最大進角20度から25度ぐらいが、ヴェクスターにあっているのではないかと思いました。ヴェクスターのCDIでは最大進角20度前後だと思いますので、CDIからフルトラ化すると5度ぐらい早めないとだめなのかもしれません。グラストラッカーとボルティーではCDIとフルトラの最大進角は25度と同じなので、エンジン特性や燃調にもよるのでしょう。あとは私のヴェクスターが燃調かなり薄めというのも影響しているかもしれませんので、参考にどうぞ。とりあえず、ヴェクスターのフルトラ化にて流用できるイグナイターが見つかってよかったです。フルコンイグナイター・プログラミングイグナイタなどはかなり複雑ですし、何よりもすごく高くなってしまいます。(フルコンだと安くて3万円ぐらいで、セッティングを頼むと10万円コースだと思います。)
せっかくですので、一番結果がよかったGN125用の5線タイプでの
ヴェクスターでフルトラ化した音をどうぞ エンジンのかかりが悪いのは燃調が薄めのためです。(オートチョークがすでにオフになっていますので)
40秒 MP4形式 20メガ程度くりっくしたらいきなり再生すると思います。動画こちら
次は他のフルトライグナイターのテストや 各イグナイターの評価・詳細試験・比較などをやりまして、どんどん実用化・商品化をすすめていきます。
2020.10.20頃~
ヴェクスターのフルトラ化キット販売に向けて ちょこちょこと 開発をすすめています。ちゃんとイグナイターの評価を数値にしたかったので、内容を考えました。 いつものように、ノーマルCDIを基準として、始動性 出足 低速 中速 高速 最高速 などを評価したいと思います。
この表(フュージョン250の時)のように 評価したいと思ったのですが、私のヴェクスターは低速重視の加速型セッティング(KWS2プーリーで7.5G)なので、どのイグナイターでも最高速は振り切ってしまいそうで、ほぼ違いがでなさそうです。そこで、考えたのですが、直線200mでの最高速がどこまででるか計測することにしました。0発進からフルスロットルにて直線200mの短距離走です。一人だとタイムをうまく測れませんので、GPSアプリにて最高速をだしていきます。使用したアプリは スマホ用の S
Healthです。サムスン電子のギャラクシーシリーズに標準装備されていますので、広告表示などもなく、一番まともに測定できそうです。(本当はゼロヨン(400M)でやりたかったのですが、残念ながらテストコースでは200Mが限界でした。)
アプリの画面です。測定すると測定中の最高速もだしてくれます。赤丸の部分です。GPS測定ですので、メーター読みよりずっとマシです。使用したスマホは ギャラクシーS7 edgeです。2016年の発売当時は10万円近くした高級スマホです。私は新品で買えるわけないので、1年まえぐらいに約6000円でキズだらけのジャンクスマホをヤフオクで買いました。(現在も現役でメインスマホです。バイク・ヴェクスターは25年前でも現役利用できますが、スマホは5年前ぐらいが限界ですね。)
最後にまとめて、表にしますので、どんどん データを集めていきます。
まず、基準です。気象状況は 晴れ 20度 海抜10m ほど です。
ノーマルCDI(中華ヴェクスター用の8PノーマルCDIです。詳細こちら)
基準ですので、
始動性100 出足100 低速100 中速100 高速100
最高速(1回目70.9km/h 2回目74.4km/h 3回目71.1km/h 平均72.13km/h )テストは新品CDIを利用しましたので、ノーマルでもかなりいい値なはずです。
次にレーシングCDIです。詳細こちら
始動性100 出足110 低速110 中速110 高速110
最高速(1回目80.2km/h 2回目79.0km/h 平均79.6km/h )
使用したものは 5年以上経過していますので、新品だともう少しいい値だと思います。
ついで レスキューCDIのデータもとりました。詳細こちら
始動性105 出足110 低速110 中速105 高速105
最高速(1回目75.0km/h 2回目75.0km/h 平均75.0km/h )
新品のCDIを利用したのですが、まさかこんなにいいデータがとれるとは思わなかったです。実はこのCDIはJP製なのです。さすがJPです。特に低回転の爆発力はノーマルCDIどころかレーシングCDIよりも強かったです。レスキューどころか強化CDIですね。
それでは フルトラのイグナイターたちです。
まず、GN125用の5線タイプです。詳細はこちら
始動性100 出足110 低速110 中速108 高速107
最高速(1回目77.9km/h 2回目76.7km/h 平均77.3km/h )
次はJPのEN125用の8ピンイグナイターです。詳細は こちら
始動性100 出足110 低速110 中速105 高速105
最高速(1回目74.8km/h 2回目76.2km/h 平均75.5km/h )
さらに
最近入手した GN125用の高級レーシングイグナイターです。
台湾レーシングメーカーの板井イグナイターです。8ピンです。GN125系では有名らしいです。とっても高かったです。
始動性100 出足102 低速103 中速102 高速101
最高速(1回目72.9km/h 2回目74.0km/h 平均73.45km/h )
GN125系で中華最強と言われるACCOSSATOイグナイターです。アコサットと読むらしいです。イタリアのレーシングメーカーらしいです。中国ではにせものが多いので、ちゃんと直営店にて買いました。こちらもとっても高かったです。
始動性100 出足102 低速103 中速102 高速101
最高速(1回目74.2km/h 2回目73.0km/h 平均73.6km/h )
ヴェクスターでのテスト印象は 板井イグナイターとアコサットのイグナイターはほぼ同じではないかと思いました。同じような点火マップなのだと思います。
今回のデータとりはこのくらいにしまして、また 別のイグナイターもテストします。予想どおり、フルトラは低回転が強くとても乗りやすいです。GN125用の5線タイプ(SX製)が特にいい結果でした。高速以外はレーシングCDIにせまっています。JP8PタイプもノーマルCDIを十分超えていますね。期待外れだったのは GN125用の高級レーシングイグナイターたちでして、ノーマルCDIよりはよかったのですが、SX5PやJP8Pよりも低速が弱かったです。爆発力がよわかったです。おそらく高速にふっているのでしょう。もともとGN125系用で ヴェクスター用ではないのでしかたないですね。(高かったのに・・・涙)
2020.10.26頃~
ヴェクスターのフルトラ化(他にも流用CDIも)にて、避けられないのは オートチョークの配線をどうするかです。(ヴェクスターのCDIの内部にはオートチョークの管理回路があるのです。)以前(2016)に開発したときは ホンダ方式(交流方式)にて、ジェネレータコイルの3相のひとつから分岐して、もうひとつはアースに落としました。参考こちら
その時感じたのは チョークオフに時間がかかることでした。なので、もっといい方法はないかと考えていたのですが、3相のふたつから取ることでした。これならおそらく2倍ぐらいパワーでそうです。
また マメ知識として書いておきますが、キーonで電流が流れる線にオートチョークをつなぐのはやめた方がいいです。なぜなら、キーonでどんどんチョークがオフになっていきますので、もたもたしていると(エンジンがぐずったり、かぶったりしたとき)チョークがオフになってしまい、エンジンがかからなくなってしまいます。遠出したときエンジンかからなくなたったら最悪ですね。チョークはエンジンがちゃんとかかってから オフにする配線をしていきましょう。
早速実験にとりかかります。
ジェネレータコイルの3相のふたつから取る ハーネスを製作しました。
単に2配線をオートチョークにつなぐだけです。ジェネレータコイルやメインハーネスを切断などしたくなかったので、間にかませるものをつくりました。オートチョークの下側の配線がギボシ加工してあるのは、ここからアースに接続して、1相仕様にもできるためです。
実験風景です。この写真は2相仕様です。
それでは 実験結果です。エンジンonにてチョークの移動量を計測します。実験にはオートチョーク新品を利用しています。
外気温約 20度でした。
2相仕様 1分経過+2.5mm 2分経過+4.5mm 3分経過+6mm 4分経過6mm
1相仕様 1分経過+2mm 2分経過+4.5mm 3分経過+6mm 4分経過6mm
この実験からは ほんのわずか、2相の方が伸びるのが早いですね。この程度だとほとんど変わらないですね。どちらもエンジン始動後3分でチョークオフです。2相仕様は2回実験しましたが、結果は同じでした。1相が遅いかもというのはどうやら思いこみだったようです。
ついで 直流方式でもテストしてみました。サービスマニュアルにあるように バッテリーに直結します。実験結果です。
直流仕様 1分経過+2.5mm 2分経過+4.5mm 3分経過+6mm 4分経過6mm
直流仕様は2相仕様と同じ結果になりました。実用問題としては1相でも2相でもよさそうです。また冬などは状況が変わるかもしれません。
またこれをオートチョーク交流化キットとして考えると チョークがへたってきたら 2相仕様にしてチョークオフを早めたりできますし、エンジン圧縮がおちてくるとチョークは長めにかけたいので、1相仕様にできるといいかもしれません。オートチョークを2段階に調整できそうでいいかもと思いました。
2020.10.28頃~
ヴェクスターのフルトラ化の実用化を進めています。チョークの次はイグナイターをちゃんと フロントカバー内に入れないといけません。テストのときは足元に置いていましたが、雨が降っては濡れてショートしますし、何よりも荷物を置けません。もともと ヴェクスターのCDI(点火ユニット)は フロントカバー内にあるのですが、私のヴェクスターはフロントラックに移動していますので、その中に入れます。早速配線を少し直しました。
フロントラック トランク?内に収めます。イグニッションコイルへの接続をメインハーネス経由にします。写真は8ピンタイプのイグナイターです。ついでにパルスコイルの配線を逆にしてみたら、逆相入力成功しましたので、パルスコイル側で配線する必要がなくなったことがわかりました。さらに配線がシンプルにできました。
フルトラ用のイグニッションコイルを取り付けます。私のケースではすぐにCDI式に戻すことが多いので、CDI用のコイルはそのままにして、フルトラ用のイグニッションコイルはその上側に置きました。ガッチリ固定できるところがなかったので、メインハーネスにひもをつけてぶら下げています。私はこのような固定で気にならないですが、他の人は気にしそうなので、CDI用のコイルと入れ替えて利用できるステーなどを探したいと思いました。イグニッションコイルへの配線はイグナイターと接続している青/白の線をフルトラ式のイグニッションコイルのマイナス側に接続します。
+12Vは以前のように、オートチョークへの配線が余っていますので、ここから+12Vを接続します。上の写真は以前のものですが、同じ配線です。
全体的に見た写真です。オートチョークも2相交流化していますので、この部分の配線がごちゃごちゃしてしまいますね。注意点は防水をしっかりすることです。降雨時に配線が濡れてしまうとリークしてエンジンが停止すると思います。私のケースではサイドカバーを外していますので、かなり上側にハーネスを持ち上げていますが、他の方はサイドカバーついていますので、もっと下側でも大丈夫だと思います。
この配線にて、降雨対策できましたので、フルトラのイグナイターを日常使用してみます。次はヴェクスターのフルトラ化日常ユースにて気がついてこと・インプレッションなどを書いていきます。
2020.11.10頃~
中華マジェスティ250用の社外イグナイターが届きましたので、ヴェクスターにて実験してみました。パルス入力を逆にすると通常使用できました。なので、走行データーもとってみました。
始動性100 出足100 低速97 中速97 高速100
最高速71.6km/h
となり、ほぼヴェクスターのノーマルCDIと変わらないですね。利用する価値ないですね。残念。
さて、ヴェクスターにてにフルトラ化して、実用していて、1か月ぐらいたちました。なので、気がついたことを書いていきます。ただ毎日乗っているわけではないです。ちょこちょこ イグナイターは入れ替えて利用していますが、SX5PやJP8Pがメイン使用でした。
・始動性がCDIよりあきらかにいい(冬の2週間放置後でもほぼ1発で始動しました。)
・低速トルクがあがりとても乗りやすい。少しアクセル開けるだけで進んでいきますので、楽です。不用意にアクセル開けれません。極端にいうと電動バイクのトルクのようです。
・高速巡航(例えば80キロ巡航)などで今までスロットル半分ぐらいあけていたのが、1/4ぐらいに落ちる。今までのアクセル半分ぐらいしか開けなくても80キロ巡航できます。つまり燃費がかなりよさそうです。
・再始動性もよくなった。例えば、コンビニなどによったときは今まではあまり再始動性よくなかったです。アクセルをあけないと始動できません。(オートチョークがオフになっているのと燃調を薄めにしているためです。)フルトラ化するとアクセル開けなくて再始動性できるときもありました。
・天候が崩れても 安定している。例えば、低気圧や雨が降っているときは多少CDIだと不安定なときがありますが、(レーシングCDIのためですが)フルトラのイグナイターの方が安定している印象です。
GN125用の高級レーシングイグナイターにて、最高速などをテストしてもみましたが、特にいいデーターは取れませんでした。最高速はやはり、SX5Pが一番よかったです。次はJP8Pでした。
現時点では、SX5Pがベストでして、高速側も別にレーシングCDIとそれほど変わらないので、このまま乗っていこうと思っています。
将来的にはマッピング可能なフルトライグナイターを入れれば、最強になると思いました。
燃費野郎の私は フルトラの方が好きです。
現時点では フルトラ化のデメリット感じられないです。配線が複雑になることぐらいでしょうか。
さらに最近 CDIとフルトラの違いについて調べていて、4STであれば、フルトラの方がトータルでいいみたいです。例えば、2万回転まで回る昔のレーサーCBR250RRなどもフルトラです。CDIではないです。CBR400Rもフルトラです。てっきりCDIだと思っていたのですが、違いました。唯一NSR250などの2ST勢がCDI採用でした。高回転はCDIの方がいいというのは2STに限られるのかとも思います。4STであれば、高回転もフルトラの方がいいのだと思います。でなければ、昔のCBRもCDIを採用したはずです。つまり点火に関しては 4STはフルトラの方がいいみたいです。125クラスの4stバイクでCDI採用が多いのは、コストダウンのためだと思いました。おそらく、グラストラッカーがCDI化したのはコストダウンのためだと思います。
まだ 試したいフルトライグナイターがありますので、開発は続きます。
最近中国の税関が急に厳しくなり、点火器の空輸できなくなりました。
2021.1.20頃~
ようやく、中国から船便が届いたのですが、注文したはずのイグナイターがありません。工場にクレームをつけ、また送るように手配しました。がしかし、これで3回目です。経験上こういったケースだと ない可能性もあるのですが、現物の写真見せてもらいましたので、おそらくあるのでしょう。しつこく送るようにねばります。また次回(2か月後?)も入荷しないことも十分考えらえますので、もう、ヴェクスターのフルトラ化をある程度まとめるつもりで進めていきます。
ヴェクスターにて真冬(外気8度ぐらい)でさらに小雨 エンジンオイル過多(オイルレベルのアッパーラインを少し超えています。)という 冬で一番条件悪そうな中で テストコースにて200m短距離走のデータをとってみました。
まずは本命の3番の三信電気の5線タイプ(SX5Pと呼びます)
最高速(1回目74.6km/h 2回目74.5km/h)
秋の頃とくらべて落ちますね。一番はオイルが多いことだと思います。
あとはアフターファイヤーがよくでます。特にアクセルを急にガバッってあけるとパンパンいいます。個人的にはテイストがあり好きですが、うるさいのが嫌いな人はだめだと思います。強制アフターファイヤー出せるので楽しいです。冬になって燃調がさらに薄くなっている可能性が高いですね。
次は写真右下4番の YM5P 以前は逆相でつないでいなかったので、今回はじめて逆相にて接続しました。なんとほとんどSX5Pとかわらなかったです。
最高速(1回目73.9km/h 2回目74.9km/h)
同じようにアフターファイヤーよくでます。
その次は写真右上2番の YM8P です。以前は逆相でつないでいなかったので、今回はじめて逆相にて接続しました。なんとアフターファイヤーでません。とってもスムーズでノーマルイグナイターのようです。以前はYM8PはSX5Pの点火特性と同じではないかと思っていたのですが、違いました。
最高速(1回目74.9km/h 2回目74.0km/h)
最後は写真左上1番の JP8P です。なんとアフターファイヤーでません。とってもスムーズでノーマルイグナイターのようです。秋(20℃ぐらい)のテストでは結構アフターファイヤー出ていた記憶があります。
最高速(1回目75.9km/h 2回目76.9km/h)
しかも最高速も一番でました。SX5P超えています。
これまでは SX5Pがベストだと思っていたのですが、真冬のハードコンディションではJP8Pがベストでした。となると真夏はどうなることやら?となります。これは真夏になったらテストしてみることにします。
今回のテストで、5P系と8P系にテスト結果が大きく2分されました。秋は5P系がよく 冬は8P系がいいのでしょう。(どちらも十分使用できる範囲ですが)。こうなるとヴェクスターのフルトラ化のキットは両方ともつくろうと思いました。(どっちにしてもほしい人いなさそうですし。)これを書いていて、アコサットなどの8P系のレーシングイグナイターのテストをしなかったのがよくなかったですね。はやいところ冬のデータとってみます。
番外編 GN250の逆相もテストしていなかったので、やってみました。なんと普通に使用できました。GN125系よりパンチはない印象ですが、ヴェクのノーマルCDIよりはいいと思います。
最高速(1回目74.0km/h 2回目72.0km/h)
真冬のテストは寒いので、すぐに撤収します。この冬で開発すすめないとまた次の冬になると思うので、気合いを入れていきます。
2021.1.30
13-15時頃 晴れ 強風 外気8度程度
冬の嵐のようで 風速10mぐらいあり、気圧もおそらく低めです。
この中で200mダッシュのテストを行ってみました。
早速アコサットのレーシングイグナイターのテストをやってみました。
アフターファイヤーもなく安定してスムーズです。
最高速(1回目68.3km/h 2回目69.3km/h 3回目69.4km/h)
しかし、JP8Pよりおそいと思いました。
次は比較のために JP8P です。
最高速(1回目73.5km/h 2回目72.2km/h)
やはり、アコサットよかったです。
つぎに SX5P
最高速(1回目71.6km/h 2回目69.5km/h)
前回と同じようにアフターファイヤーたくさんでます。
ついでに YM5P
最高速(1回目76.4km/h 2回目75.0km/h)
あれっ?一番速い。前回と同じようにアフターファイヤーたくさんでます。さらに始動性が悪い印象です。他のイグナイターは1秒でかかるのに、3-5秒かかる感じでした。
気になるので 他のイグナイターのテストが終わってから最後に もう一度テスト行ってみました。
最高速(3回目73.5km/h 4回目73.3km/h)
少し落ちますが、やっぱり一番速いですね。
強風吹いていますので、参考値ですが、体感でも本日のトップは
YM5Pでした。気象条件などを色々変化させるとトップはすぐに入れ替わりますので、あまりこだわるのは やめにします。
せっかくですので、10kmぐらいの買い物で(日常ユース)でYM5PとJP8Pを乗り比べてみました。JP8Pは始動性もよく アフターファイヤーもなくノーマルイグナイターみたいにスムーズでした。YM5Pはアフターファイヤーがすぐに出せるので、乗っていて楽しい。社外マフラーのSR400のようなテイストがあります。アクセルを急にひねるとすぐにアフターファイヤーでて パンパンいいますので、急加速するときなど楽しいです。パワーも全域であります。ノロノロ走ったり、アクセルをあまり開けなければ アフターファイヤーでません。唯一の難点は始動性が少し悪いことでしょうか。どっちがいいかといわれると私はYM5Pです。テイストあって速いのが最高です。ヴェク用に個人的には YM5P JP8P SX5Pを利用してフルトラ化ライフをしようと思っています。
2021.2.1頃~
GN125の5線タイプ用の販売用接続キットを試作しました。この接続キットとイグナイターがあれば、入れ替えるだけでヴェクで使用できます。左がチョーク交流化配線で、右上がイグニッションコイルと+12Vの接続ラインです。左下がメインハーネスとイグナイターを接続するキットです。
YM5Pの始動性が悪いと思い 何度が寒い早朝に始動性をテストしましたが、3秒ぐらいあれば、始動するので、とりえあず、大丈夫そうです。なので、まずは5線タイプで、フルトラ化キットを販売開始して、すぐに8線タイプでも販売開始するつもりです。全部バラ売りもしようとも思っています。今月中には販売開始できると思います。
2020.2.4頃~
5線タイプ用の販売用接続キットを販売開始はじめました。久しぶりにフロントパネルを外してたくさん写真を撮りましたので疲れました。GN125の5線タイプイグナイターはSX5Pがもう絶版で、実質YM5Pしかないのですが、中国で直営店以外をあたってみます。
フロントパネルの穴あけ 改造 おすすめです。マニア向けですが。
これでイグナイターを頻繁に交換できます。
次は8線タイプ用の販売用接続キットをやります。
2021.2.6~
ヴェクスター用のGN125の8線タイプ用の販売用接続キットを試作しました。上がもともと開発に利用していたもので、下が販売用接続キットです。大分すっきりするのがわかると思います。当方はガサツなため、しょっちゅう配線を間違えるため、これを試作するだけでも1時間ぐらいかかってしまいます。パッとつくると大抵配線をまちがえるので、ワイヤーハーネスを生産している人・メーカーすごいと思います。
ようやく試作できても まだ自分の配線に疑いがありますので、実車にてちゃんと使えるかもテストします。今回は1発でうまくいきました。つぎは5線のキットと同じようにこのセットも販売を開始します。
2021.2.11
ヴェクスター用 GN125系8ピン イグナイター接続キットを販売開始しました。イグナイターがまだJP8Pしかないので、そのうち追加します。
これで、ヴェクのフルトラ化キットひと段落つきました。あとは反応などを見ながら追加などしていきます。個人的には早いところイグニッションコイルへのブースターなどを入れて遊んでみようと思っています。また 将来的には ヴェクスター用のフルコンをやろうと思っていますが、いつになるか未定です。フルコンのキットだと当店でもこんなに安くできないと思います。
当初、ボルティー250などのCDI化も面白そうだと思っていたのですが、正直、フルトラからCDI化へはディチューンだと思いましたので、やめにします。フルトラからCDI化へはやる気しません。点火自体に関してはパワーダウンしますので、エンジンに例えるとボアダウンみたいなものです。グラストラッカーに関してはCDI車なので、いつかフルトラ化したいと思っています。
2021.7頃~
梅雨の激しい雨の中や 30度を超える炎天下でフルトラ化ヴェクスターにたまに乗っています。特に冬と状況かわらないです。JPの8Pのイグナイターは始動性がよく安定的です。5線タイプのものは始動性が悪いときがあり、コンビニなどよったときの再始動でたまに手間取ります。ただパワーは一番でます。JPの8Pイグナイターはノーマルに近く、5線タイプのもののはレーシングイグナイターに近い感じです。5線タイプでもSX5Pつまり三信電器のものだと始動性もよくなりますが、パワーが落ちます。こんな感じでしょうか。とりあえず、真冬から真夏まで利用できそうです。
たまにRCCDIに戻すのですが、爆発音が急に静かでびっくりします。
実は別件で、GS125のイグナイターを調べる必要があり、ヴェクスターにても再テストしてみました。そうしたら、なんと、利用できました。以前テストしたときは壊れていたようです。パルス入力を逆にせず そのままで利用できました。パルス入力を逆にすると走行できません。なぜ?とても不思議です。GS系はGN・EN系とはかなり違うのかもしれません。内部の信号処理がかなり違いそうです。このイグナイターをヴェクスターにて使用した感じでは、始動性もよくパワーもでるかんじです。ちょうど JP8Pと5線タイプの中間のようです。5線タイプよりパワーは出ていない印象でした。もう少し乗り比べてみます。
番外編ですが、ヴェクにて 謎のCDIを利用してみました。
CB125T用なのですが、なんと 直交流 両用だとのことです。
マイヴェクはヴェク以外の車種でも、たまにパーツテストや動作確認をしています。なので、すぐにCDI式に戻す必要があるので、イグニッションコイルを常時2つ積んでいます。CDI式に戻すときは イグナイターから入力線をCDI用のイグニッションコイルに付け替えて、プラグキャップも点火プラグに付け替えます。フルトラ式に戻すときも同じです。CDIとTCIを2つ積んでいるマニアックなバイクですね。
2021.7.17頃~
高性能 フルトラ用 イグニッションコイル あるということなので、テスト仕入れしてみました。中国でもノーマルよりかなり高いです。テスターにて計測してみると一次抵抗が7-10Ωで、2次抵抗がプラグキャップ込みで測定できなかったです。おそらくプラグキャップが中空タイプです。プラグキャップが接着材で固定してあるので、破壊してまで計測したくなかったので、2次抵抗不明のままです。ただもう 一次抵抗が7-10Ωでノーマルコイルと違うのがわかります。
早速 フルトラ化してあるヴェクスターにて、 イグニッションコイル(プラグキャップも)を入れ替えてみました。このコイルはハイテンションコードが短いので、本体固定に手間取りました。早速使用してみて、ノーマルコイルより点火が強いのがわかりました。音が大きくなり、爆発がさらに強くなっていますので、火花がさらに強くなっているのだと思います。ただ10%程度だと思いますので、体感レベルではなんとなくといった感じでした。そのうちラインラップにいれようと思います。
2021.7.18頃~
ビッグニュースです。なんとGN125の5線タイプのフルトラ式のイグナイターがCDI式でも点火することが判明しました。つまり、GN125の5線タイプのイグナイターはフルトラ(TCI)CDIの両用・併用ケースがありました。とりあえず、三信電器のものや松明電器のGN125の5線タイプのイグナイターは両用でした。フルトラ(TCI)でも CDIでも点火します。試乗した感じでは点火特性は同じでした、若干フルトラの方が点火が強い印象でした。三信電器・松明電器とも複数台チェックできましたので、わざと両方で点火するようにしているようです。フルトラとCDIの混在なんてできるんですね。一体回路はどうなっているのでしょうか。せっかくなので、JPの8ピンタイプのフルトラ式のイグナイターをCDI用のイグニッションコイルにCDI式接続してもやっぱり点火しませんでした。(当り前ですが、念のためです)。つまりくどいですが、三信電器のものや松明電器のGN125の5線タイプのイグナイターは両用です。フルトラだけでなくCDI式でも点火します。
なぜ、このような実験をしたかというと、実は中国のGN125の5線タイプのイグナイターにはニセモノを含めてたくさん社外品があります。そしてたくさん試したのですが、フルトラ式では点火しないものがたくさんありました。さらに箱やパッケージなどにCDIの表示があるのです。それらはCDI式にて接続するとほとんどが点火して使用できました。つまり CDI式のみなのです。中国の社外品のGN125の5線タイプのイグナイターにはCDI式のみのものがかなりあります。
さらにずっと前の過去の実験で、私がフルトラとCDIの違いがわかっていなかったときに、三信電器のGN125の5線タイプのイグナイターでCDI式で点火した記憶がありました。(この経験のせいで フルトラもCDIも同じようなものと思っておりました。)
三信電器のものや松明電器のGN125の5線タイプのイグナイターは両用で、フルトラだけでなく CDIでも点火できるのでお得ですね。たとえば、GN125に乗っているかたは すぐにCDI化できますね。CDI用のイグニッションコイルを用意して配線するだけです。イグナイターからのラインはそのままで、もう片方の線(キーonで12vが流れるオレンジ色線)を外して 代わりにアース線を接続するだけです。
上の写真は GN125の5線タイプのイグナイターを 次々で変更して CDI式やフルトラ式で点火するかテストしている写真です。
私が調べた限りでは、スズキのGN125にはCDI式のものはありませんでした。中国スズキにもないと思います。中国にはGN125実車のニセモノがたくさんあるそうで、その中にCDI式があるのだと思います。なぜ中国スズキが純正採用している三信電器のイグナイターがフルトラだけでなくCDIでも点火するのでしょうか。本物はフルトラだけなので、フルトラだけのイグナイターにすればいいかとまず思いました。少し中国の事情も考えて想像してみました。ここからは私の独断と偏見ですので、読みものとしてお読みください。
中国で GN125のニセモノ(CDI式)に乗っている人で、ニセモノと知らずに本物と思っているケースがあるとします。イグナイターが壊れて 中国スズキで本物のイグナイターを買います。もし、本物がフルトラのみだと点火しません。そして 当然買った人は不良としてクレームをつけます。ニセモノのGN125と言っても取り合ってくれないでしょう。場合によってはネット上で騒ぐと思います。こうなると 中国スズキは面倒くさくて いい迷惑をこうむります。しかも GN125のニセモノは数が多いので、この問題が大量なのだと思います。本物のイグナイターがCDI式でも点火すれば、だいぶこの問題は減りそうです。
さらに 中国でGN125の本物に乗っている人が 安い社外品のイグナイター(CDI式)を試してみると案の定点火しません。それで 仕方ないので、本物を買います。
さらに少し複雑なケースです。中国のGN125の本物ケースで、イグニッションコイルのみをよくわからずに 社外品のCDI式に交換するケースもあると思います。この場合だと点火するけど、点火弱く調子悪くなると思います。今度は GN125のニセモノ(CDI式)のケースで、本物の中国スズキのフルトラ式のイグニッションコイルに交換することも考えられます。この場合だとすぐにイグニッションコイル壊れると思います。中国スズキにクレームが増えそうですね。
つまり、ニセモノのせいでフルトラとCDIが混在しているので、中国スズキはイグナイター側(点火器)で回路上で解決をはかっているのではないでしょうか。フルトラCDI両用にするのが、現実的な解決方法なのでしょう。面白いですね。中国スズキはかわいそうですね。と、まあ 私の勝手な想像です。(実は中国スズキのGN125のモデルにCDI式があるというオチもあるかもしれません。誰か知っていましたら、教えてください。)
その後、YM5Pつまり、松明電器のGN125の5線タイプのイグナイターをCDI式でしばらく乗ってみました。フルトラのときとそっくりです。点火タイミングが同じなのでしょう。アフターファイヤーの出し方もフルトラの時と同じです。ほかのCDIよりも点火自体が少し強い印象です。ただのCDI式よりも 両用点火器の方がCDIでの点火が強いという意味です。ただ やっぱり、低回転はフルトラの方が強いと思いました。まとめますと、
点火の順位は 1番 フルトラ点火 2番 両用点火器でのCDI点火 3番 CDI点火器でのCDI点火 といった感じです。
2021.7.24頃~
ついに イグニッションコイルへのブースターが中国から届きました。フルトラ化のメリットというか 有名で簡単なチューニング・パワーアップは イグニッションコイルへの昇圧(ブースト)です。CDI式だとできません。イグニッションコイルがプラスラインに接続していませんし、CDI本体へ 昇圧かけると 今度はCDI本体が壊れますね。(ほとんどのCDIの耐圧が18V程度です。)たとえ、CDI本体へ昇圧がうまくいっても、コンデンサー容量などには関係ないので、意味があるかも不明です。(2021.8.1追記 実は意味あるようです。容量は変わらなくても電荷量は電圧に比例します。後述)
フルトラでのイグニッションコイルへの昇圧パーツは国内でもチューニングメーカーからたくさん販売されています。興味があるかたは『イグニッションコイル』 『ブースター』 『昇圧』など検索してみてください。ただ、チューニングメーカーのものは本当にどれも高級品で高い(2-3万円)のです。ノンブランドの安いものだと3000円程度でありました。ピンキリです。効果を絶賛している人も多いですし、点火系が壊れたとの報告も多いです。
フルトラ化ヴェクスターにてブースト(昇圧)かけますので、その前に色々調べてみました。昇圧は16Vが一番多く、中には 20Vまでかけるものもありました。電流は5Aから10Aのものが多かったです。チューニングメーカーのものはたいてい内部がブラックボックスです。色々な制御・安全装置などが追加されているのだと思います。ブースト(昇圧)のデメリットの報告としておおかったのは使用していると イグニッションコイルがだめになる・切れるなどが多かったです。あとは点火プラグが壊れるなどもありました。点火系に負担が増えますので、点火系の寿命が一気に短くなるのだと思いました。場合によっては点火器自体にも負担があるかもしれません。燃費競争激化しているのに、スズキなどの純正メーカーが採用していないのはこのためだと思いました。リスクある・リスク高いパワーアップなのでしょう。
フルトラ化したヴェクスターに関しては、単気筒なので、昇圧するイグニッションコイルは1本で済みます。5Aでも4本(4気筒)いけるアイテムがありましたので、容量の少ない昇圧回路で十分な印象でした。そして今回選定したものが、19V・3Aと24V・3Aです。16Vだとつまらないと思いました。19Vでもかなりリスキーなのですが、24Vは少しやばそうです。調査した限りでは20Vが最高でした。12Vから2倍に昇圧しますので大丈夫でしょうか・・・。(本当は20Vがほしかったのですが、19Vの次が24Vしかなかったという理由もあります。)ただ、ヴェクスターはシンプルな単気筒です。イグニッションコイル1本で済みますし、最悪イグナイターが壊れても予備はたくさんあります。これが、自動車などの4気筒でECUだと恐ろしくてできないですね。ECUなんて壊れたら一体いくらするのでしょうか。能書きはこれぐらいにしまして、実験をすすめます。
まずは配線加工します。配線にかんしては 解説している方・サイトがたくさんありますので、詳細はそちらを参考にしてください。黒2本はアース接続して、黄色(out)をイグニッションコイルのプラスライン側にして、赤(in)をプラスラインに接続するだけです。イグニッションコイルの一次ラインのプラス側に割り込ますだけです。
はい、ヴェクスターに取り付けました。汚い配線がさらに汚くなりました。本体をヒモでぶらさげているのも最低ですね。仮組ですので。また、すぐにもとにもどせるように配線も工夫しました。
実験結果です。イグニッションコイルはノーマルタイプで、イグナイターはGN125の5線タイプ・8線の2点で行いました。各昇圧器はテスターにて昇圧を確認済みです。
まず、19V・3Aにて いつも通り、エンジン始動しました。爆発音若干あがっていました。走行していて、低回転がトルクアップしているのが体感できました。おそらく10%ぐらいかなあといった感じで、絶賛するほどでもなかったです。少し期待外れでした。鈍い人はわからないかもしれないです。16Vで絶賛している人は大抵点火系がくたびれている方が多いので、そのためかとも思いました。(アイドリングが不安定なのが安定したなど)今回の車両はボロいですが、点火系は新品に近いです。イグナイター(点火器)は2種試しましたが、同じでした。
では、ついに禁断の24Vです。3Aなので72Wも電気食います。恐る恐るエンジンを始動してみます。特にトラブルなく 19Vの時とあまり変わりません。軽く走行してみました。特に19Vと変わりません。若干24Vの方が全域にわたって強い印象はありました。鈍い私には19Vも24Vも大差ありません。24Vも少し期待外れでした。なので、しばらく24Vで運用してみようと思いました。早速片道10kmほどの軽い山道を往復走行してみました。イグナイターは5線タイプの YM5Pです。インプレです。全域にわたってトルクアップしています。坂道上りやすくなっています。爆発音もさらに大きいです。アイドリング回転数をさらに下げられそうです。再始動性もよくなりました。12Vのときは コンビニに立ち寄ったときに始動に手間どることがありましたが、かなりマシになりました。と、メリット多いですね。デメリットとしては、最大72Wも出ますので、結構電気食っているようです。走行後触ると少し暖かいです。アイドリングでの電圧が13V切ります。(もともと私のヴェクスターの発電が弱いのが原因ですが)とりあえず、耐久性がクリアできれば、かなりメリットあると思いました。24Vで運用していきますので、予備の点火パーツを常に積んでおきます。
2021.7.31頃~
ずっと24Vで乗っているのですが、なんともありません。とっても調子いいです。まず始動性がさらによくなりました。低回転特に強いですね。全域にわたってトルクアップしています。
16Vでも切れる人は切れるので、やっぱり、イグニッションコイルが切れたとの報告は イグニッションコイルもへたっていたのではないかと思いました。新品のコイルと10年たったコイルや5万キロのコイルでは劣化が全然ちがうと思います。
さて、フルトラ化ヴェクの24Vの昇圧が期待はずれだったので、ネットで情報を調べていると興味深い情報を見つけました。
『イグニッションコイルの昇圧とプラグギャップの拡大はセット』というものでした。せっかく電圧が上がるので、飛び火力が上がるので、プラグギャップを広げないともったいない ということでした。効果は絶大との情報もありました。ちょっと面倒なのでやりたくなかったのですが、やってみることにしました。通常のプラグギャップは0.7mmほどなのですが、ある有名なブースター系パーツでは1.3mmまで広げるそうです。
新品プラグはもったいないので、ゴミ点火プラグ(1万キロ以上使用)のすきまを広げました。1.3mmにしたかったのですが、私のシックネスゲージではこんな組み合わせできないので、適当です。広がり方がななめなのもいただけないですね。
先端でメインキーがはさまるので、帰宅後 ノギスで測ったら2.0mmでした。
早速まずは火花が飛ぶか目視にてチェックしてみました。十分強い火花が飛んでいました。が、2.0mmの先端でなく、最短距離のななめ部分で飛んでいることが多かったです。1.7mmぐらいでしょうか。24Vかけているので、さすがですね。
早速エンジン始動してみました。いつもどおりです。広げる前と同じでした。多少爆発音大きくなった気もしました。早速試走してみました。そしたら、なんと びっくりしました。急に背中を押されたようなトルクがでました。自転車にのっていたら、いたずらで、急に後ろから押されている時ような印象でした。ついに効果絶大を体感できました。ゴミプラグなので期待していなかったことも大きいです。つまり、点火が強くなったら火花も伸ばさないとだめなのですね。まさにネットで調べた通りでした。昇圧とプラグギャップの拡大はセットですね。久しぶりに効果を十分体感できてうれしくなりました。最初はJPの8ピンタイプでやりました。そのあとにYM5P5線タイプに交換してみると今度はエンジンかかりませんでした。火花飛んでいない可能性があります。TCI・CDI両用だと、24V昇圧はできてもプラグギャップは広げられないのかもしれません。不思議です。JPの8ピンタイプとGS125のイグナイターでテストしました。両方とも全域でさらにトルクアップしています。低回転が特にわかりやすいです。出足も急によくなりました。
せっかくなのので、ヴェクスターにてどこまでアイドリングを下げられるかやってみました。久々の動画です。テイストの追及のひとつにアイドリングを下げることがあります。ハーレーの3拍子なんかが有名ですね。
使用したイグナイターは JP8Pで、24V昇圧 ギャップ1.7mmほどです。
今回は このぐらいが限界でした。
クリックしたらいきなり再生されます。10秒 約10メガ
このぐらいは大丈夫でした。
クリックしたらいきなり再生されます。20秒 約20メガ
ノーマルCDIだと止まってしまう回転数でもアイドリングできているのがわかると思います。通常は(ハーレーなどで)アイドリング下げるチューニングはフルコンを使って点火タイミングを遅角しないとだめみたいです。フルコンいれれば、さらにヴェクスターのアイドリング下げれると思います。
2021.8.1頃~
フルトラ(TCI)のみブースト(昇圧)できるのかとずっと思っていたのですが、違うようです。CDI式でも ブースト(昇圧)有効とのことでした。この情報も昇圧に関して調べていたらたまたま見つけることができました。その方の情報だと点火が強くなってトルクが増すとのことでした。フルトラのブーストと同じ印象を受けました。特に始動時は実は12Vでなく8Vぐらいにまで電圧が下がっているとこことでした。(セルに電気を大量に流すためです)
ただし、CDIでの昇圧は 直流CDIのみで、交流CDIだとだめとのことです。ある有名チューニングメーカーではかつてCDI用の昇圧器を販売していたのですが、間違って交流CDIに使用して、壊れることが多かったようで販売中止になったようです。CDIが直流か交流かは電気に詳しくないバイク乗りには判断が難しいでしょう。旧車は交流が多いのですが、すべて交流というわけではないです。
さらに、CDIの昇圧はイグニッションコイルへの昇圧ではなく、CDI本体・イグナイター本体への昇圧です。仕組みは 通常CDIには12Vかかっていて、それをCDI内部で200-300Vに昇圧して、そしてコンデンサーを充電します。この12Vを昇圧しますので、内部での昇圧がさらにあがります。おそらく(300-450V)そして、つまりコンデンサーにかかる電圧が上がります。これで、コンデンサーの電荷量があがります。最初はコンデンサーの静電容量は変わらないので、意味ないと思っていたのですが、違いました。電圧に比例して、電荷量があがります。ネットで調べてもよくわからなかったので、図書館で調べてみました。そうしましたら、わかりやすい説明をみつけました。 コンデンサーをバケツの例え、溜まった水が電荷量に相当します。静電容量はバケツの底面積で、深さが電圧とのことでした。電圧が高かければ、高いほど水は溜まりますので、コンデンサーのエネルギーに相当する 電荷量は増えていきます。つまり、コンデンサーの容量が一定でも、電圧が高いほうが、エネルギーが高いです。
Q(電荷量)=C(容量)x V(電圧)の式だそうです。また 少しコンデンサーのことが理解できたような気がします。
直流CDIには入力18Vまでなどの耐圧表示がよくあるのですが、ようやく意味がわかりました。18V超えると 内部の昇圧回路が壊れるかもしれませんし、何よりもコンデンサーの耐圧を超えてしまうのでしょう。たしかコンデンサーに耐圧を超える電圧をかけたら、すぐ壊れる記憶がありました。となると、より耐圧が高いコンデンサーを入れたらCDIのパワーアップもしそうですね。ただCDIの内部コンデンサーを交換なんて、かなり難しいです。
直流CDIの昇圧はさらにリスキーですね。CDI本体へ負担が増えますので、CDI本体が安くないとやりたくないですね。フルトラなら イグニッションコイルへの負担がメインだと思いますので。
コンデンサーの理解が少し深まりましたので、交流CDIでの昇圧も考えてみましょう。エキサイターコイル自体がたしか200-300vでていますので、この電圧を上げればいいので、AC/ACコンバーターで1.5-2倍ぐらいにできれば、おそらくいけそうですね。あるいはDC/ACコンバーターで12Vから300-500Vまで昇圧できれば、いけそうです。(これはほぼ直流CDI内部と同じことですね。)ちなみにコンデンサーに耐圧以上の電圧をかけると爆発することがあるみたいです。かなり危険な昇圧になりますね。もしやられる方がいましたら、CDI式への昇圧は自己責任にてやってください。
まずはヴェクスターにて直流CDIの昇圧を機会があったら、やってみようと思いました。(その後にヴェクスターにて交流CDIの昇圧です)
2021.8.7頃~
24Vブーストのフルトラ化ヴェクスターの火花を伸ばすために、研究を開始しました。
以前のゴミプラグの時もそうでしたが、ある程度ギャップを広げると 火花が最短距離を取ろうとして、いい位置に発生しません。
こんなふうに、やっても2mmこえてくると、今度は肩位置で、火花が発生します。なので、1.5mmぐらいが限界な感じでした。1.5mmにすると、火花の発生位置を電極とターミナルの正しい位置に固定できます。これ以上は肩で発生することも多く不安定でした。こんな加工でもペンチを使って結構苦労しましたが、水の泡ですね。
こんなふうにストレートにすると、火花位置を肩に固定できます。
ちなみに何度も火花テストしていて、一度だけ感電してしまいました。とても痛かったです。さらなる高電圧でより危険度が増していました。以前のノーマルCDIのときの感電よりもあきらかに痛いです。例えますと ノーマルCDIがお母さんの平手打ちで、24Vブーストフルトラだとお父さんのグーでのパンチです。
赤い線位置が火花発生位置です。つまり、ターミナルが折れてしまってもプラグが利用できてしまうのですね。ゴミが再利用できてすごく地球にやさしいですね。せっかくなので、この状態でテスト走行してみました。ターミナルをストレートにしたのは、ピストンとの干渉も調べたかったからです。
まず、干渉に関してはほんの少しでほぼ干渉していないかんじです。せいぜい先端の1mm程度ですので、よりリーチの長いプラグ入れれそうですね。いつか圧縮アップのためにも長めのプラグを入れてみようと思います。ちなみにピストンなどはボア57.5mmのノーマルです。
次に走行テストの印象ですが、やはり、以前の時よりも少しパワーがでている印象でした。アイドリング回転もさらに低くできたときもありました。唯一の難点がたまに 再始動性が悪いことがあったことです。コンビニ・ガソリンスタンドなどに寄ったときに始動に時間がかかることがたまにありました。ただ始動してしまえば、安定はしていました。やはり肩位置での火花がよくないのでしょうか。原因がよくわからないですね。そこで、色々プラグを調べて、火花位置も正しい位置固定して、伸ばすにはどうすればいいか考えました。現時点での結論は 電極の中心が細い プラチナ・イリジウムプラグを利用することです。中心が細いので、肩からもノーマルより距離があります。
もったいないですが、新品のプラチナプラグを用意しました。ただいつものように中華の白金プラグです。電極細いので、たぶんプラチナです。この写真の広げかたで約3mmです。点火テストしてみるとだめでした。肩で発生することの方が多かったです。やっぱり肩位置より明らかに短くしないとだめなようです。2mmぐらいが限界な印象でした。
だいたい2mmぐらいにしました。今度は安定して、正しい位置で火花が飛ぶようになりました。次に走行テストの印象ですが、ゴミプラグでの肩位置での点火(2mm)とほぼ同じでした。火花の長さは同じだからだと思います。そして期待通り、再始動性ばっちりです。コンビニなどよってもすぐにエンジンかかります。始動性もさらによくなった印象です。正しい位置で点火しているからだと思います。さらにバッテリーがへたって10Vになったのですが、始動できました。これはおそらくブーストかけているので、バッテリーが10Vでもコイルに常に24Vかかっているからです。プラチナプラグでなくても始動できると思います。
プラグギャップの結論ですが、 ノーマルプラグ(M10)だと1.5mm プラチナプラグなら2.0mm です。ブーストしたら感電注意です。さらに火花を伸ばそうと思ったら、より太いプラグ、つまりM12やM14のプラグを入れる必要があると思います。面倒な加工などいりますね。しばらくは、24Vでプラチナプラグでギャップ2.0mmで利用してみます。気が付いたことがあれば更新します。
2021.8.13~
台風で大雨の中 24Vブーストしたフルトラ化ヴェクスターにて片道20キロほど昼と夜に往復しました。いつもどおりだったのですが、帰宅の直前100メールほどで 急に失火して エンジンが始動できなくなりました。
『ついに イグニッションコイル切れたか・・・。まだ3000kmも使っていないのに・・・。24Vはやりすぎか』と思いました。その日は疲れていたので、押して帰宅してそのまま寝ました。
次の日に早速修理の取りかかります。その前にせっかくなので、トラブルシューティングを書いてみました。通常のエンジン始動トラブルと似ているのですが、ブーストの分だけ少し面倒です。
こんな感じです。面倒なので手書きです。読めない字は予想で。
早速ヴェクスターの修理にとりかかります。トラブルシューティングのまえにイグニッションコイルが切れかかっているだけかもしれないので、そのままエンジンを始動しようとセルを回してみました。(イグニッションコイルが切れかかると冷えるとつながり、エンジン始動することがよくあります。エンジン温まるとまた切れてエンジンとまります。この繰り返しで最後は完全に切れます。熱膨張のためです)やっぱりエンジン始動しませんでした。ではトラブルシューティングに入ります。
車体からプラグキャップを外して、別の点火プラグにて火花を確認します。確認できました。となると車体についている点火プラグ怪しいですね。別のプラグで点火しているので、ブースターとイグニッションコイルOKです。早速プラグを車体から取り外そうとしたら、軽く手で回ってしまいました。一応取り外して火花テストもしましたが、問題なく点火しました。単にプラグが緩んだだけでした。プラグホールからの圧縮漏れで始動しなくなっただけでした。一応新品プラグ(しかもプラチナプラグ)だったので、新品規定回転数にて締めつけました。これがよくなかったみたいです。ブーストかけていますし、さらにプラグギャップも広げていますので、爆発力上がって振動増えているからです。そういえば、風防のネジも緩んでいました。ブーストかけたら、ネジは全体的にきつめに締めないとだめなようです。特に点火プラグ注意です。そういえば、ハーレーでアイドリングを落とすチューニングするときもネジが緩みやすくなるとどっかで読んだ気がします。爆発力UPもアイドリング下げるのも両方ともネジ緩み易くなりそうです。
元のプラチナプラグをきつめに締めて、元通りにしたら(24V化)またいつも通りになりましたが、昨日よりパワーでていました。圧縮漏れのまま走行していたのでしょう。今回は修理する前にトラブルシューティングを書いていたので、すぐに直せた気がします。またこのトラブルシューティングはテスターがある前提なのですが、出先だと大抵ないですね。(車体に積みたくないですし。)出先でエンジン始動しなくなったら、ブースターをまずキャンセルすれば(12Vに戻す)いいと思います。12Vに戻せば、いつも通りの始動トラブルですが、まずは イグニッションコイルと点火プラグを疑いましょう。12Vだとプラグギャップが0.7mmでないとほぼ火花散りませんので、ここも忘れずに。予備プラグはノーマルギャップ0.7mmで車体に積んでおきましょう。イグニッションコイルか点火プラグでなければ、次は点火器を疑いましょう。これでもだめなら ほぼレッカーです。12Vに戻して、イグニッションコイル・点火プラグ・点火器(イグナイター)を交換してだめなら ハーネスの断線や パルスコイル異常などが考えられるのですが、出先でできる修理ではほぼないです。
赤枠の部分 間違っていますね。『ブースト時 エンジンが始動しなくなったら』ですね。今回は点火したのですが、エンジン始動しませんでしたので。
また 気が付いたことなどあれば更新します。
2022.3.24追記
ヴェクスター初期型での フルトラ化について質問がありましたので、配線図などを表示しておきます。ぜひやられる方がいましたらどうぞ。配線は4pカプラとGN125系イグナイター用のカプラのみでいけます。もちろん、イグニッションコイルはフルトラ用のもので イグナイター本体も必要です。また 細かい配線は新しく引く必要があります。(とりあえず、イグニッションコイルへの+12V線と イグナイターへの+12V線です。両方ともオレンジ色です )日常運用するのであれば、オートチョークの交流化も必要です。あとの注意点は もう初期型は生産から30年近くたっていますので、メインハーネスの劣化に注意してください。あちこちリーク・断線している可能性があります。まずはノーマル状態のCDI式で点火・走行できていることを確認してからフルトラ化をおすすめします。場合によってはメインハーネスを経由させない配線をしてください。ちかじか 中華ヴェクスターのメインハーネスも販売しますので、そちらも検討してください。
もうひとつの注意点は初期型のローターのパルスコイル用のマグネットの形がちがいますので、どのイグナイターがパワーでるかはやってみないとわかりません。ヴェクスターでは初期型のみ点火タイミング(マグネットの物理位置のことです)が若干ことなります。当方のテストではマグネットローターは初期型用ではなく後期型のタイプです。場合によってはマグネットローターも後期型に変更が必要かもしれません。
手書きですが、なんとか わかると思います。GN125の8ピンと5線タイプの2タイプです。
2023.2.6
最近はヴェクの開発の記事がないのですが、実際はいろいろいじっております。 ボルティ部品の開発中に、フルトラだと バッテリーレス バッテリーなし、キック始動できない ような情報がネットにたくさんあるので、ヴェクにて検証実験してみました。
なんと フルトラ化 ヴェクスターにて バッテリーなし でもエンジンは止まりませんでした。下の動画です。バッテリーがはずれているのがわかると思います。私のヴェクはキックがないので、まず 普通にセルモーターにてエンジンをかけて、そのあとにバッテリーを完全にはずしました。エンジン止まりませんでしたし、アクセルあげると回転数もあがりました。走行可能です。
イグナイターは EN125用フルトラで、レギュレターは スイッチグ式にしています。フルトラでも バッテリーなし バッテリーレスキット OKですね。つまり キック始動があれば、ヴェクは バッテリーなしでも走行可能そうですね。ただし、バッテリーなしだとウインカーの点滅などが安定しなかったので バッテリーレスキットを組んだ方が実用的です。直流CDIでも同じだと思います。今までは バッテリー点火の直流CDIやフルトラだとバッテリーなしはできないと思っていたのが間違いだったようです。レギュレターが電気を供給できていれば大丈夫なのです。バッテリーが完全に上がってしまってもレギュレターが電気を供給できていれば走行は可能なのです。ただし バッテリー点火のバイクすべてが バッテリーなしでも走行できるかというと違うと思います。車種・年式・イグナイター・発電状態によると思います。とりあえず、ヴェクスターは バッテリーなしでもエンジンは止まらない・走行可能なケースがあると知っておくといいと思います。
ちなみに 直流CDIのAF27のDIOも バッテリーなし 運用いけました。
古いカブ50は交流CDIなのに バッテリーなしだと エンジン回転数をあげるとヘッドバルブなどが割れるという謎仕様でした。交流CDIなのにバッテリーが必須のようです。
おそらく 1990年以降のバイクなら、バッテリー点火でも バッテリーなしでもエンジンが止まらないのだと思います。旧車だとエンジンが止まるのかもしれないです。興味がある方はぜひ 自分のバイクで実験してみてください。
次は フルトラ化ヴェクにて バッテリーなしで 始動できるか実験してみます。(キックがないので、セルモーター直結キットを利用します。)
2023.2.7
フルトラ化ヴェクにて バッテリーなしで 始動できるか実験しました。キックの代わりに セルモーター直結キットを利用します。キックすること同じことになります。(セルモーター直結キットに関しては こちらの2023/1/5~に詳しく説明があります。)
全体接続写真です。セルモーター直結キットのセルモーターへの接続ラインはセルモーターに直接接続するのも手が汚れて面倒なので、もともとのセルリレーのセルモーターラインに接続しました。結果は一応始動できて、エンジンも止まらないので走行できそうです。動画のほうがわかりやすいので、そちらもどうぞ。
フルトラ化 ヴェクスター バッテリーなし エンジン始動成功動画
かなり始動性が悪いのがわかると思います。セルの回転時間は3秒は必要なのがわかると思います。何度もやりましたが、同じ結果でした。もともとバッテリーをつないでいれば、一発始動する状態(1秒かからない)ですので、もし始動性が悪い状態だとさらに時間がかかりそうです。つまり フルトラだとバッテリーなしのエンジン始動はかなり厳しいのだと思います。フルトラはイグニッションコイルに長い時間12Vの電圧をかけていないと点火できないが理由だと思います。CDIと違って時間がかかるのです。
バッテリーレスキットを組めば多少はマシになるかとは予想しています。
直流CDIならもっと始動早いと思いますので 次回にできたらヴェクでやってみます。記憶では AF27のDIOの直流CDIで バッテリーなしのキック始動では、1-2回のキックで始動できましたので、始動は早そうです。
まとめますと、
『フルトラでも バッテリーなしで エンジン始動(キックなど)できるが、かなり時間がかかる。クランクシャフト連続回転が3秒以上必要』
です。バッテリーがあれば、キック始動はCDI式よりもフルトラの方が早いです。フルトラの方が点火力が強く 点火時間が長いためです。
ちなみにセルモーターが回らないぐらいにバッテリーが上がってしまっても、フルトラでも 十分キック始動などできると思います。10Vぐらいあれば、十分点火します。バッテリーが完全にだめになった(5V以下)やバッテリーなしだと エンジン始動が かなり厳しいのです。
例えば、フルトラのバイク(ボルティやマジェスティ125)で、セルが回らないぐらいにバッテリーが弱くなっても、押しがけ・キック始動十分できるはずです。バッテリーなしだとかなり厳しいのです。昔はバッテリーが高価でバッテリーのみを盗まれるなどがありましたが、最近はほぼないので、気にしなくていいとも思います。
つづくかも
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