ヴェクスター フルチューンの世界
(2023.3.14連載開始)
これがなんだかわかるでしょうか?ヴェクスターのパーツです。
ギヤつきバイクのリアスプロケットではありません。
なんとヴェクスターのチューニングされている方で、ワンウェイクラッチまで軽量化されている方がいます。その方にいただいた写真です。
こんな改造初めて知りました。(マグネットローターの軽量化は当然のごとくやっております。)
ヴェクスターに乗って20年 パーツショップ運営10年以上になります。おかげさまで、海外だけでなく全国のヴェク乗りさまとたくさんの交流をさせていただいています。その中でも一番ヤバイ方に出会えることができました。おそらく日本一のヴェクスターのチューニングだと思いますので、世界一でしょう。この記事では ヴェクスターのチューニングを学ぼうという内容です。というのも もともと私はレストア ゴミ ジャンク派なので、 パワーアップやチューニングにはうといのです。『走ればなんでもいいや 金かけたくない。でも燃費野郎で コスパ重視です!』そんな感じです。
そして、ヴェク乗りの方も コスパ重視の方が多い傾向です。そして上手なパワーアップは実は燃費にもいいのです。スクーターで ハイチューンする方は 少なくてもアドレスV125で大抵がシグナスX系なのだと思います。でも いるのです。いたのです。ヴェクスターで ハイチューンどころか フルチューンされる方が。
もともとはXR600Rでフルチューンされていて、その方が趣味でヴェクもフルチューンされているのです。フルフューンXR600Rの技術・ノウハウがヴェクに生かされているのです。そしてさらに ご自身にてもかなり金属加工できる方でもあります。このフルチューンXR600Rは雑誌にも紹介されたことがあり、当時の記事が こちらにもあります。ヴェク乗りからすと想像を絶する恐ろしいXR600Rです。
さらにMIXIもやっておられまして、そちらにもヴェクの写真がたくさんあります。 こちらなどです。(MIXIに登録しないと見れません。)
ざっと改造内容です。
ベース 1998年式 ヴェクスター
エンジン系
ピストン
ボア61mm 凸型ピストン サイドスリット加工
ロングクランク化 ストローク+3mm
ダイレクトイグニッション化
マグネットローター軽量化 進角加工
オイルポンプ 強化 ハイギヤ化
オイルクーラー追加
オイルジェットシステム追加(カムシャフトに直接噴射します)
ヘッド系
ポート加工 研磨
チタン製バルブリテーナー
流用加工ハイカム
キャブレター
PJ34フラットバルブを取り付けるために
インマニ・スロットルなど 加工 調整多数
220mm フロントビッグローター
セルモーター強化
ライン14SQ強化
駆動系
ミッション
V125利用 加工 ハイギヤ化
センタースプリング強化
クラッチシュー強化型交換
などなど多数ありまして、まだまだございますし、
日夜 加工されていますのでドンドン改良されていくと思います。
それでは ヴェクスターの チューニングを学んでいきましょう。
目次(仮目次で変更・追加すると思います)
1フルチューンとは ハイチューンとちがう
2.ヴェクの排気量に関して
3.キャブレターについて PJ34
4.フルチューン ピストン加工について
5.ポート加工について
6.エンジンオイルについて
・・・・
1 フルチューンとは ハイチューンとちがう
まずここを理解することに非常に時間がかかりました。
にゃも氏が 通っているフルフューンレーシングショップのヴァイタルスピリットのwebサイトを紹介いただきました。このページに詳しく書いてあります。ぜひ一読をすすめます。 こちら
私の理解だと、フルフューンはトータルバランスでパワーの追及をして耐久性を犠牲にしない。コツコツとフリクションロスなどを無くす・軽量化するなどを積み上げていく。乗りやすいので日常使用も可能。こんな感じでしょうか。
これに対して ハイチューンは 個別に パワーのみを追求することです。耐久性やバランスは考慮しません。レース車両などは1レースごとにエンジンOH・パーツ交換しているとのことです。
ほとんどのヴェク乗りの方は レースなどしないので、フルフューンを学んだ方がいいのがよくわかりました。
つい初心者は ボアアップに目を奪わて、無理なボアアップなどをしてバランスを崩して 乗りにくくなってしまいます。
また コツコツとフリクションロスを無くしていくのは本当に手間がかかることです。クランクの芯だしからはじまり、カムシャフトのズレの修正などあり、組み方 トルク管理まで多岐にわたります。ヴァイタルスピリットが組むエンジンだと ワークスエンジンのパワーをはるかに超えるとのことです。
となると、適当にずーーーと乗ってしまったヴェクスターだと どんどん フリクションロスが増えていきますね。パワーダウンで燃費も悪化しますね。
2.ヴェクの排気量に関して
にゃも氏によると ボア67mmまでは可能とのことです。
67mmなので、33.5x33.5x3.14x58.6 で 207ccですね。
ロングクランクだと 33.5x33.5x3.14x61.6 で 217ccになりますね。
実はヴェクスターは200cc越えできるポテンシャルあるのですね。
実際にボア67mmをやろうとすると シリンダースリーブを探すところからになります。そして シリンダースリーブの入れ替えはとても大変でお金もかかります。ピストンならなんとか流用できそうなものを探せそうなので、中国で見つけたらキープするようにしておきます。
ヴェクで200越えなんて夢がありますね。セロー225とかとほとんどかわりないですし、りっぱな軽二輪になれますね。(150だと高速はかなり苦しいのです。)
ビッグスクーターと比べるとヴェクは車体も軽量ですし、空冷のままなのがいいですね。ぜひ にゃも氏に217cc化してもらいたいぐらいです。
と、このことをお伝えしたら、すでに 217cc化したことがあるとのことです。しかもにゃも氏のMixiを拝見すると2008の時点でボア67mmにされています。さすがですね。なので、次回は ボア67mmについてお聞きします。
・・・・つづく
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