ヴェクスター メインハーネス 電装一式 開発 50歳 30万キロへ
(2022.1頃開始~)
はじめに
ヴェクスターが 発売されてから だいぶ時間がたちましたね。初期型が1994年で最終型が2007年なので、これを書いている時点(2023.3)で初期型はほぼ30年・30歳で、最終型でも16年・16歳ですね。つまりほとんどのヴェクは20歳超えていると思います。生産後20年超えてくると困るのは電装関係です。充電がうまくいかないのはザラで、点火系も調子悪くなり、エンジンも不安定になります。
メインハーネスが劣化したり、末期症状だと
・よくメインヒューズが飛ぶ
・ヘッドライトがたまに消える
・キーonでキーが抜ける キーを強く回さないとonにならない
・エンジンがよく停止する
・電装部品をすべて新品交換しても調子悪い
・バイク屋に見せたが原因不明
・ヒューズが切れる原因を見つけて直すが、1週間後に別のところで漏電してまたヒューズ切れる
などなどありますね。メインハーネスが劣化したら 新品交換しないと根本原因は直りません。解決しません。
私のケース(ヴェクスター150初期型)ではずっと雨ざらし・洗車なしだったので20年・10万キロでメインハーネスはだめになりました。メインハーネスも時間と距離の両方で劣化します。例えば、30年・5万キロ とか 10年20万キロ などみたいな感じでしょうか。ハーネスは銅線にビニールのようなゴムがついているだけなので、他のゴム部品のように劣化します。
ヴェクをこれからも長く乗る方はぜひ メインハーネスを新品にしてあげてください。ひょっとしたら国内スズキにもあるかもしれませんので、絶版の前にキープをおすすめします。ただ注意点は CDIが16ピンになった後期型のハーネスではあまり長く使えないと思います。16ピンのCDIが中国などにありませんので、10年後にメインハーネスを交換しても合うCDIなどがありません。なのでもう10-30年乗るつもりの方は 8ピンCDIに交換することを強く勧めます。
実はメインハーネスを制作してくれるところも国内にはいくつかあるのです。(とても興味深いので、ぜひ 読んでみてください。有名なところでは このへんです。http://business4.plala.or.jp/hi-side/)
しかし 当たり前ですが、特注みたいなもので 非常に高くなります。
(例えば、RZ250だとメインハーネスだけで4万円ぐらい レフトスイッチのみで2万ぐらいです。さらにライトスイッチ メインキーはないみたいです。)(2023.3.14追記 どうやら ハイサイドさんは廃業されたみたいです。軽く検索エンジンで『メインハーネス製作』で調べた限りは 価格まで明記しているいいサイトがなかったです。ただ価格は一般的に安くて3万円ぐらいからだと思います。実はヴェクスターのメインハーネスは意外と複雑なので、ハンドルハーネスまで含めて製作依頼したら簡単に5万円超えると思います。特にCDIが16ピンになった後期型は高くなると思います。)
それでは、ヴェクスターの日本国内事情に合わせて、当店はメインハーネス一式を開発してきます。ここからは日記風・時系列にて。
2022.1~9月頃
そろそろ ヴェク用のメインハーネスを用意しようと中国QQスズキからメインハーネスを取り寄せました。仕入れるときに、フットブレーキでなくハンドブレーキで仕様・車種は指定します。
案の上届いたものは フットブレーキ仕様でさらに新型で、防犯機能つきなどで複雑でした。
生産時期はラベルによると2017.4とかなり新しいものです。ただパッケージされた日付なので、内容物がもっと古いことはよくあります。
とっくに一番シンプルな旧型ハーネスはなくなっていました。社外品があれば、いいのですが、残念ながらありません。 ホンダ車のCB125Tのようにいければ、いいのですが、スズキ車の宿命のようなものであきらめます。中国のメインハーネス事情はCB125T開発での『はじめに』にもありますが、中華ヴェクスターもほぼ同じです。まず中国HJスズキも中国QQスズキも両方とも在庫をあまりもっていないみたいです。ほぼ売れない・儲からないからです。新車生産したときのあまり・予備ぐらいなのだと思います。特に中国HJスズキのものはありません。そしてここからがつらいところです。車種・型式・仕様などを指定してメインハーネスを仕入れても かなり違うものを平気で送りつけてきます。純正直営店でも10年以上取引があってもだめです。これは他のパーツ・店などでも同じなので 中国の文化・習慣みたいなものです。(日本だと 『その仕様のものはないけど、こっちの仕様ならある』 となると思います。)クレーム処理できたところで、返品・返金にしかなりません。必要なパーツは手に入りません。あきらめて、ゴミにするのも もったいないので、流用などをいつも考えます。ヴェクのメインハーネスに関しては 0から製作することや他車流用を考えると とても大変・面倒です。というか私は0から作れる気がしませんし、もし0からやったら精神病みそうなので 絶対にやりたくないです。仕様がちがうものでも一応中華ヴェクのバリエーションのメインハーネスなので、改造が楽そうです。実は近い候補があるだけでかなりマシ・幸せなのです。なのでなんとか使えるようにしたいと思います。
実際に開発・分析するときに写真や記録をあまりとらなかったのですが、何枚か残っていたので紹介します。
まず開発は室内にて ほとんどの電装部品をつなぎテストしていきました。
解析時の写真です。この写真はリアポジションランプをテストしています。
また 配線図は 国内のヴェクのマニュアルと中華ヴェクのマニュアルを参考にしました。このメインハーネス自体の配線図がなかったので、本当にきつかったです。
解読の仕方ですが、室内にて 電装部品を揃えて、すべてつなぎ、動作などを確認します。いきなり実車でやるのは 本当にやめたほうがいいと思います。実車だとまず手が汚れますし、配線接続部分にも汚れなどが入ります。また実車での配線加工は無理な力などがかかることが多くせっかくの新品メインハーネスが痛みます。実は過去(2014頃)にヴェクにていきなり中華メインハーネスを取り付けてから動作確認 配線加工をするなどをやりました。このときは適当につないだだけでエンジン始動できましたが、たまたま運がよかっただけです。失敗したらやり直しになりますし、配線加工も本当に適当・ごちゃごちゃになってしまいました。まあ当時は電装の知識がなかったので仕方ないのです。
解読の仕方に戻りますが、まずは配線の色がどの電装ラインに対応しているかを確認します。この内容はサービスマニュアルがないととても厳しいです。ヴェクに関しては国内仕様と中華はほぼ同じでした。そして ひとつづつ接続して、動作確認をします。例えば、ヘッドライトのローライトは白色なのですが、このラインをすべて仮接続して、キーonにする・しない ライトonする・しない ハイライトのとき 点灯する・しない メータ内の照明の連動する・しない などを一個づつ テスターなどを利用してチェックします。動作がおかしいときは 原因をさがし配線を組みなおしてみます。うまくいったらつぎは ヘッドライトのハイライトで同じことをチェックします。つぎは セルスイッチ・ポジションランプ・ウインカー ストップラップなど・・・。 かなり直してすすんでも 次にすすんだら、今度はべつのところで動作がおかしくなるなどもあり、泥沼にはまります。防犯機能があるとトリック配線などもあり、複雑で本当に大変です。こんな感じで室内にての解読・動作確認に半年以上かかりました。
この写真は フロントブレーキを握っているときのみに セルが 回り、さらにイグナイターが点火するかをテスターにて分析しています。最初は常にセルが回ってしまい、だめ。 これを解決したら、次は 点火信号がいかなくなったりして 1からやり直しになります。こんな感じで時間がかかりました。
あと苦労したことは、ハンドルハーネスをどうするかです。というのは開発をはじめたときには 中国で ヴェク用の 一体型ハンドルハーネスがとっくの前に絶版になってしまいました。メインハーネスを新品にしてハンドルハーネスが古いままだとあまり意味がないのです。いろいろ悩んだ結果、中華アドレスV100のハンドルハーネスを ヴェクスター用に改造しました。 こちらです。実は前段階として、V100流用のハンドルハーネスを製作していました。なので、すでに ヴェク用に中華ハンドルハーネスをもっているかたはそちらを利用しつづけしてもらってもいいですし、ノーマルハンドルハーネスの方はV100の改造ハーネスにしてもらおうと思いました。
なので、メインハーネスを開発するときは 中華ヴェクのハンドルハーネスと 中華V100改造ハーネスにて 動作確認を行いました。国内仕様ノーマルハンドルハーネスは残念ながらすでにもっていないので、動作確認をできなかったのです。予想ですが、中華ヴェクとほとんど同じなので、おそらく、利用できると思います。
そして、半年ぐらいで 室内にて ほぼ解析でき動作確認もできました。
この写真が全体図です。ハンドルハーネスは接続していません。
このハンドルハーネスとの接続部分の配線づくりが大変でした。解析に時間がかかりました。試作なので、線の色は適当です。販売するときは 黒にして、保護チューブもつけます。他の部分の加工は少しで済みました。
このまま販売も考えましたが、せっかく実車があるので、フィッティングもしようと思いました。しかし、なかなかまとまった時間がとれません。当時は軽バンを処分して、ヴェクスターは普段使いできる唯一の足でした。トラブルがあったら足がなくなっていまうので、なかなか気がのらないのです。そして、バイクも増車しましたが、案の定 不動車(フュージョン250)を買ってしまったので、それをシコシコ直していました。(レストアなどの様子は こちら)2-3か月ぐらいで、フュージョンがある程度乗れるようになってきました。そして ヴェクのメインハーネスの交換ができる期間をうかがっていました。私の性格だと冬か春でないと重整備は基本しないので、これを逃すとまた1年延びるとわかっています。
余談ですが、ヴェク以外のバイクを久々にレストアするとたくさん学びがありました。単なるブレーキキャリパのOHだけでも面白かったです。これがヴェクなら、さっとアッシごと交換して写真さえとりません。もっとヴェクの写真や情報をアップしようと思いました。またフュージョンは10年放置車でメインキーなしだったので、CDIやセルモーターなど直結してエンジンのレストアをしていました。最近はヴェクも古くなっているので、放置車なども増えてきていると思います。メインハーネスの開発が終わったら、ヴェク用の直結キットもいろいろ作ろうと思いました。
2023.3.11
ついに メインハーネス交換のチャンス到来しました。というか言い訳ですね。単に先延ばししていただけです。念のために週末の2日を用意しておきました。今回を逃すとまた来年になりそうなので、なんとかやり遂げたいと思います。
こちらが交換前の状態です。28歳 15万キロです。フルトラ化だけでなく、色々電装をいじってあるので、これを機に全部取り外し、ノーマルのデフォルト状態(工場出荷状態)に戻したいと思います。
まずは外装を全部外します。このような状態にするまでに1時間ほどかかりました。私は慣れているので、早いと思いますが、2時間あれば初心者でもできると思います。実はメインハーネスの取り外し・取り付けは今回で4回目です。1度目は東京から沖縄への引越しのとき、2回目は沖縄から兵庫への引越しのときです。沖縄は遠いので、ヴェクを通常手段で輸送するとたしか当時は5万円こえていました。(現在のBASの東京デポ→那覇デポだと4万円ぐらいです。)なので、分解してゆうパックで輸送しました。唯一フレームだけがゆうパックのサイズオーバーになるので、飛行に預入荷物として運びました。(無料でした サーフボードの方がでかいですしね。)たしかゆうぱっくは6個口ぐらいで全部で1万円ぐらいでした。(他にも大量にゆうぱっくがあるので割引もありましたので)引越しでバイクを処分してしまう人は多いのですが、分解してゆうぱっくお勧めです。ただ現在はエンジン・キャブなどを送れないかもしれないです。3回目が 2014年のごろにノーマルメインハーネスが死にましたので(3回ぐらいセルフレッカー)、中華メインハーネスを適当に取り付けました。そして今回が4回目です。(ヴェクに関しては語りがうっとうしいと思いますので、適当に読み飛ばしてください。)
次はメインハーネスを取り外していきます。
上から外していきました。まずはハンドルハーネスを2か所 外します。 そして フロントマスクのあたりをどんどん外します。・メインキー・ウインカーリレー・ホーン・レギュレター・CDI・Fウインカーです。車種・年式によっては サイドスタンドリレー・レジスターなどがあります。この時点では ハンドルハーネスは V100流用もので メインハーネスはAN125Tに近い中華メインハーネスです。
やはり接続は適当で滅茶苦茶でした。まずメインキーが4ピンで、メインハーネス側が6ピンでした。そして当時はそのままつないだけです。2ピン分接続されていないので、その分が利用できないです。エンジン始動できたのはたまたま運がよかっただけです。ちゃんと配線にあわせてすべて接続する必要があります。当時は電装が苦手だったので、ない知識でがんばっていたのがよくわかります。他にも グリップヒーター・シガーソケットなどたくさんの後付け アクセサリーを接続していました。分岐の仕方も適当でだめでした。コードが焼けなかったのは 運がよかっただけです。本来は負荷電流を計算して余裕をもたせないといけないです。(アクセサリー接続などの基本は エーモンの DIYラボがおすすめです。)
さらに どんどん はずします。 ・バッテリー・サイドスタンド・メインアース・オートチョーク・イグニッションコイル・セルリレ-・セルモータ・ジェネレターコイル・パルスコイル・室内ランプ・燃料計・リアストップアッシ などなどです。これも年式により キャブスロットルポジション・キャブヒーターなど増えたりします。今回のケースだと フルトラ化というハードチューンしていましたので、たくさん外す部品がありました。
摘出した(取り外した)旧中華メインハーネスです。約10年5万キロ使用しました。その間ノートラブルで現時点でも電装トラブルはないので十分な耐久性と信頼性です。当時は中華ハーネスの評判が悪かったので、心配していましたが、杞憂でした。まだまだ使用できますので保管しておきます。
旧中華メインハーネスにはこのようなラベルがあり、部品製作のハーネスのメーカーだと思います。今回利用する中華メインハーネスも同じラベルですので、実績があるので安心です。今度 小売りしていないか調べて、あったら仕入れたいと思います。
旧中華メインハーネス以外の余分な後付け配線です。まだハンドル回りには結構あるのですが、このぐらいにしておきます。たくさん後付けしていたのがわかると思います。旧メインハーネスなどを取り外すのにかかった時間は30分ぐらいだったと思います。はずすのは楽です。慣れていなくても1時間ぐらいあれば足りると思います。(カプラ・ネジなどが固着していたりすると時間かかると思います)
次はいよいよ 新中華メインハーネスの取り付けです。
まずは 電装部品をつながないで、メインハーネスを車体に軽く取り付けて様子をみました。写真を撮り忘れたので、以前の写真にて解説です。
まずは 赤丸の2か所に合わせます。ここの部分をちゃんとフレームの沿わせて、上下に移動しながらベストな位置を探します。
ここでわかったことはかなり違うヴェクスターのバージョンのメインハーネスだとわかりました。バッテリー位置やフロントウインカー位置がかなりちがうもの用のメインハーネスです。(後述)
色々検証した結果なんとか取り付けできそうなので、取り付けることにします。では取り付け方法です。
まずメインハーネスのバッテリー分岐ラインをこのように合わせます。この位置にすると、上側のハンドルハーネス、リア側の接続も問題なかったです。サイドスタンドスイッチのない モデルなので、写真中央の2Pカプラは接続しません。もともとはフットブレーキ用の配線です。
バッテリーラインが足りないなるため、今回は上側から回しこみました。このメインハーネスは縦置バッテリーのヴェクのバージョンの用のもののようです。今回はそのまま取り付けましたが、後日バッテリーラインを延長加工して国内仕様と同じにします。(このままでも一応バッテリーフタはつきますが少し浮きます)
次はリア側から電装部品に接続していきます。理由はリア側が余裕が少ないからです。特にきついのは 燃料計の接続でした。場合によっては延長したほうがいいかもしないと思いました。接続箇所を順番にリストアップしていきます。燃料計・メットインランプ・リアランプアッシ・セルリレ- ・イグニッションコイル ・ジェネレターコイル ・パルスコイル メインアース・オートチョークです。(この写真では社外セルリレ-を利用していますが、ノーマルのセルリレーも接続は同じです。)
リア部の拡大写真です。燃料計・メットインランプ・リアランプアッシの3本はフレーム内側を通します。
最後はフロント・ハンドル回りの接続です。フロント側はかなり余裕があります。唯一の問題点は フロントウインカーのラインの長さが足りないことでした。10cmほど足りませんでした。これはもとのモデルがハンドルにウインカーがあるモデルなのだと思います。こちらも後日延長します。
接続箇所です。・メインキー・ウインカーリレー・ホーン・レギュレター・CDI・Fウインカー・ハンドルハーネス2か所 ・ヘッドライト(ハンドルハーネス経由でこの写真では接続しいません)
新しいメインハーネスと電装部品をほぼすべて接続しましたので、(ヘッドライト以外)外装部品を取り付ける前に エンジン始動テストや電装のテストをします。まずキーonにして電装のチェックをします。リストアップします。ウインカー左右 ヘッドライト ポジションランプ ブレーキランプ ホーン すべてOKでした。(もともと室内開発時に動作確認できていますので 当たり前なのですが。)次に ブレーキレバーを握りセルスイッチ押してをエンジンを始動します。エンジン始動しまして、充電電圧も14.5Vと良好なことを確認できました。
仕上げに外装部品を取り付けていきます。まずはレッグシールド部分を取り付けます。ステム内部側にハーネスがはまるスペースがありますので、そこにちゃんとはめないと取り付けられないので、上手に取り付けてください。無理に取り付けるとハーネスが痛みますので注意してください。そのあとにハンドルを左右に大きく切ってよけいな力がかからないことを確認してください。写真を撮り忘れたので今度アップします。レッグシールドさえつけば、あとはもとに戻すだけで特に難しくないと思います。
とりえあず 完成です。また後日加工しますので、前かごやリアキャリアは取り付けていません。軽く試乗しましたが、問題なしです。ここまで 全部で4時間程度でした。写真を撮りながらゆっくりやったのですが、意外に時間がかからなかったです。ヴェクのメインハーネスの入れ替えは半日あれば可能で、1日あれば十分な気がしました。初心者でも2日あれば足りると思います。エンジン腰上OHの方がずっと大変で、キャブレターOHしたことがある方なら簡単だと思います。
2023.3.12
雨がちな天気なので、室内にて作業もすすめます。
まずは CDIをトランクスペースに移設するための延長ハーネスを作成しました。単なる8ピンカプラのオスメスでの延長線です。利用したものは オス メス です。これで30cm以上延長できます。私は点火系マニアなので必要ですが、通常の人は不要です。
こんな感じにタコ足にして いろいろなCDI・イグナイターを接続します。
取り付けた写真です。右上あたりの穴の中に入っているのでみにくです。一応延長線を利用しなくても、トランクスペースにCDIを移設可能でしたが、ギリギリで抜き差ししにくいので延長しました。(またCDIを移設するためにはレッグシールドに穴を開け加工も必要になります。)
ついでに ポジションランプも移設しました。もともとは前かごがあるので利用していなかったのです。せっかくなので、T10のLEDにしてフェンダー下に埋め込んで移設します。利用したものは こちらです。今度夜間にでも撮影します。
ウインカーリレーも IC化しました。付属のゴムもぴったりでした。
無音にしたので、静かになりました。こちらです。 無音 音付き
また以前のノーマルリレーは点滅速度が左右で違っていたのが、ようやくそろうようになりました。原因はおそらくバルブが劣化しているためだと思います。(特にリア側は30年近く利用しています。)
ホーンも音が小さくなったので、劣化したのかと思ったら単に接続をが緩んだだけでした。ちゃんとつないだらいつもの音に戻りました。サビもひどいので、次回は音量アップした社外品にでも交換します。
2023.4.9
新しいメインハーネスに交換して、ひと月ぐらいたちます。特に問題はありません。さらに雨ざらしですし、雨の日にも数回走行して問題ないので、まず大丈夫でしょう。ハーネスや配線などの部品は交換して1週間ぐらい問題なければ、ほぼ大丈夫です。前回のときもそうでした。交換してから約10年ノートラブル・ノーメンテでした。新車のメインハーネスが10万キロ・20年ぐらいもつのと同じことです。
ようやく バッテリーラインの延長の部品が揃いましたので、早速フィッティングにかかります。
まず フロアボードと バッテリーを外します。3本の線があるのですが、それぞれ20cmも延長すれば十分横から回り込めそうでした。
延長に関しては カシメではなく、ハンダづけしたかったので、まずは屋外用の12V用のハンダゴテを買おうかと思っていました。ネットで調べるとライターの火でも溶けるとの情報があったので、今回はライターにチャレンジします。そこでまず室内でライターでワイヤーをハンダづけをする練習をして なんとかできそうなこともわかりました。
残念ながら結果は失敗でした。まずメインヒューズラインはなんとかハンダづけできました。しかし プラスラインや アースラインの ぶっとい銅線はだめでした。ハンダが溶けても載りませんしみこまないです。熱量・温度が足りなかったです。なので次回にカシメることにします。今回は仮止めしてまたもとに戻しました。
延長方法や取り回し位置もよくわかりましたので、販売するメインハーネスは室内にてハンダづけする予定です。
こんな感じにハンダをまきつけたのですが、ライターであぶってもハンダは しみこまず 下に落ちるだけでした。室内のハンダゴテによるハンダづけなら簡単なのですが、屋外ではだめでした。ライターでハンダづけできるのは1スケア未満でないと厳しいと思いました。さらにあぶりすぎると被服が溶けるのも難しいです。
2024.9.9
いきなりですが、加工済みメインハーネス完成しまして、発売開始しました。 こちら
大変お待たせしてすいませんでした。
全部づけ (全部つなぎ 全部のせ) も やりました。(インスタ映え?)
これから 開発内容などもちょこちょこ書いていきます。
2024.9.11
まずは以前のつづきで、バッテリーラインの延長についてです。
ハンダづけも含めていろいろ試したのですが、バッテリーラインのような極太線は電気工事などで利用される専用の防水連結熱収縮チューブを利用しました。これがベストでした。電気工事用だと200V・50Aとか簡単に超えますのでバイクなら十分です。
実際の加工の写真です。最初は手持ちの工具で接続しようとしたのですが、だめでしたので専用工具も買い直しました。こちらはプラスライン側です。
延長したバッテリーラインです。保護チューブ(耐油・耐熱)もつけるので見えなくなってしまいます。さらにバッテリープラス用の赤ゴムも調達しましたし、さらにはヒューズライン延長用にも端子を探しました。
あとはバッテリーケース用のゴムも探していたのですが、ゴム屋さんにはいいものがなかったです。結局カウル連結用のゴムをカットしてはめました。 こちら
この場合はフタを閉めるとぴったりなのですが、保護チューブをつけると今度はきつすぎたので、結局ゴムなしにしました。
こんな感じなりました。ゴムをつけると きつすぎ、フタを閉じのが難しくなります。メンテナンス性なども考えてなしにしました。
2024.9.17
こちらの写真が加工前の写真です。拡大写真は こちら 国内仕様との大きな違いは ウインカーがヘッド内にあり、ヘッドライトがフロントパネルにあるタイプです。
予想ですが、このタイプだと思います。ヴェクスターのスペイシー100版ですね。QS125T-3系なので中国QQスズキのヴェクの第三世代といってもいいかもしれません。FLAGSTARのエンブレムがあります。このデザインはかなり売れたようでエンジンがV125になりインジェクション仕様まであるようです。アルミホイールも専用でかっこいいのですが、リアがたぶん合わないと中国側に言われたので仕入れたことないです。
それでは 加工内容がたくさんありますので、リストアップしていきます。簡単なものからいきます。
・ジェネレターコイル3pカプラ 変更
変更前
変更後です。わかりにくいのですが、もとのものはピン位置がセンタータイプで、ノーマルヴェクスター用は横によっています。参考 こちら
・燃料計接続カプラ変更
こちらが変更前です。アドレスv125もそうですが、最近タイプはこちらに改善されているようです。
2pカプラに変更します。
さらに延長線も作成しました。延長加工にせず、切り離し式にしたのは整備性をあげるためです。メインハーネス側は赤のカプラにしています。そして色も黄色にしています。黒白線がないので、こちらは黒色にしています。燃料計側の線が短くなければ、延長線不要です。私のケースではなくても接続できました。
・トランクルームランプ配線 延長線追加
こちらはメットイン内のランプ用の配線です。短かったので延長が必要でした。こちらも延長加工にせず、切り離し式にしたのは整備性をあげるためです。メインハーネス側は赤のカプラにしています。そして色も赤色にしています。黒白線がないので、こちらは黒色にしています。保護チューブは燃料計とちがいワンサイズアップしています。このラインを燃料計と間違って接続しないように注意してください。心配な方はマジックなどで印をつけたり、ラベルを貼るといいと思います。
・ウインカー 配線 延長線追加
こちらは延長加工にしたかったのですが、切り離し式になりました。緑と黒の2Pメスカプラなどはどうやっても調達できませんでした。(1000個単位になるため)こうすることで色もわかりますし、整備性もあがります。左右間違えても壊れませんし、入れ替えるだけでいいです。ウインカー側の線を延長したものと思うとわかりやすいかもしれません。
2024.9.18
次から大変になっていきます。
・メインハーネスとハンドルハーネス(国内仕様など)変換カプラ
この写真が最終的に制作したものです。制作自体にはそれほど時間はかからないのですが、解析に半年ほどかかりました。商品ページにもあるようにACCアクセサリーラインとアースラインの取り出し口も取り付けました。シガーソケットなどつけるととても便利です。
メインハーネスと接続しさらに4個口ACCラインも取り付けました。
上が初期開発段階のもので、下が最終段階に近いものでしたが、短すぎました。
・F/Rブレーキ接続ハーネス
こちらも赤カプラがメインハーネス側にしています。Fブレーキ接続端子の調達に一度失敗して少し時間かかりました。
こちらは開発段階です。取り回しがちがうのがわかると思います。この段階ではRブレーキから分岐してFブレーキに接続しています。この配線だとRブレーキ側が断線するとFブレーキも使えなくなってしまいますし、さらに取り回しなどを改善して上のようにしました。
メインハーネスとの接続写真です。ちなみにメインハーネス側には2Pカプラが2つありますが、どちらに接続しても大丈夫です。
2024.9.25
最後はバッテリーラインについての加工です。
9.11の内容や 商品ページとかぶる部分もありますが、補足します。
国内仕様と一番の違いは取り回しを変更したところです。
国内仕様では バッテリーラインはフレームの外側を通っています。
それに対して加工メインハーネスはあえてフレームの内側を通すことにしました。
開発段階の写真です。バッテリーケースとフレームのすきまにバッテリー接続ラインを通します。一度バッテリーケースのボルトをはずして。ずらす必要があります。最初は国内仕様のようにフレームの外側を通して、さらにプラチューブで補強しようかと考えていました。このプラチューブは石がゴロゴロしたガレ場や木が生えているダード・林道などでバッテリーラインにひっかけたときに切れないように保護しているのだと思います。それよりもフレームの内側を通せばひっかかりにくくなりますし、さらには金属のフレームがガードしてくれるので頑丈です。なので、フレームの内側を通すようにしました。
この写真がバッテリーラインの経路になります。開発段階のため保護チューブがありません。なるべくラインを外側に出さないほうがひっかりにくくなります。理想はバッテリーケースの上側に穴をあけることなのですが、私も面倒なのでこの状態です。悪路走行が多い方は上穴加工を検討してください。
ヒューズラインの延長は取り回しを変更したので、片側のみ切断して延長加工しました。
完成後はこんな感じになります。実はよくみると上側と下側の端子が違います。上側がもとのままで下側は変更したものです。
拡大写真です。左がもとのもので、右が調達したものです。同じ棒ヒューズ用です。同じものを探しましたが、こちらもなかなか見つけれらず、開発が中断していました。さらにはバッテリーのプラス・マイナス接続端子も国内ノーマルのような大きいものも見つからず、結局汎用タイプを採用しました。このように余計な?ことにこだわり時間ばかりかかってしまいました。販売がどんどん延期するのもよくないので いい加減こだわるのをやめました。
2024.9.26
ポジションランプの配線追加加工について忘れていましたので、書いていきます。
中華ポジションランプはよくあるT10のメーター内のゴム台座ですので、汎用品を流用しました。利用したものは こちらのタイプとほとんど同じです。メインハーネス側に合わせて 4pのオスにして保護チューブをつけました。これで中華ポジションランプには合うようになります。念のため国内仕様のポジションランプと合うか試しましたらスカスカでした。なので、現在は大きいサイズの合うもの複数取り寄せています。
国内仕様のポジションランプには一般サイズのT10ゴム台座が合いませんでした。
また改造情報ですが、メインハーネス側は4Pになり、他の2つはハイライトとローライトの配線です。ここから配線すれば簡単にフロントパネル付近に連動ライトを増設できます。ハイライトのみで点灯するフォグランプなどがスイッチを追加しなくて済むので便利です。アースもポジションランプでも利用している黒/白線から分岐した方が楽だと思います。場所によってはフレームアースでもOKだと思います。ただおそらくフロントフォークアウターはアース取れないと思います。このラインにライトを追加したいときは4pのオスとメスを間にかます配線がいいと思います。4pではないですが、イメージ画像は こんな感じです。
2024.9.27
加工済みメインハーネスの 商品ページにもあるのですが、今回は動画をたくさん撮りました。もともと私は写真派で動画は苦手なのですが、動画の方がわかりやすいときが多いのでがんばりました。
こちらは商品ページにもある中華ハンドルハーネスとの動作動画です。慣れていないので、こんなのを撮影するだけで何度も失敗しました。
他にもいくつかありますので 紹介します。
こちらは負荷テストです。可能な限り点灯して セルリレーがonにできるか(つまりセルモーターが回るか)をテストしました。セルリレーがカチカチ音でているので問題ないですね。あとは発熱もチェックしています。ヘッドライトやストップランプがついているととても熱くなります。(ついでに暑い)そして配線が異常発熱しないか確認しました。配線の太さなどに余裕がないとここで焦げたりします。もちろん問題ありませんでした。
こちらはCDIのテスト動画で 点火・火花テストとオートチョークの動作テストをやりました。このテストでCDI・パルスコイル・イグニッションコイル・オートチョークの配線に問題ないことが確認ができます。エンジンがないので、手動でパルスコイルを動かしているのでなかなかうまくいかなかったです。また火花自体の点火時間が短かすぎるため実際は火花がでていても動画では映らないなどもありました。一応動画でもパルス入力に対して火花がでているのは十分わかると思います。
室内でのオートチョークの動作テストはとても難しかったのです。ヴェクのCDIによってはパルスコイルの信号と連動しているような動作のものがありましたので、今回は連動するタイプのCDIを利用してテストしました。パルスの入力があると一瞬チョークもonになるので、この動作を利用してランプを点灯させます。実際はほとんどのCDIはエンジン回転数が一定以上になるとチョークonになるものばかりで このタイプのCDIだと手動では無理でした。おかでさまでヴェクのCDI解析もすすみました。実は同じ8ピンでも中華ヴェクのCDIにはかなり種類があります。
あとは充電配線の確認なのですが、これはエンジンなしで室内でやるには無理がありますので、経路確認だけを行いました。具体的にはジェネレターコイル側の三相端子がレギュレター入力三相側の導通の確認とレギュレター充電出力がバッテリー端子にちゃんと導通しているかです。これですべて動作確認は終わりです。商品ページでは灯火類中心の動作動画になりますが、実際はさらにCDI・オートチョーク・発電・充電の配線もチェックしています。さらに同じ加工済みメインハーネスが実車でもハードコンディションで1年以上使えていますので点火・充電などもまず大丈夫だと思います。
おまけ動画
暗くして灯火類の動画を撮ったものですが、失敗したものです。全体的に暗すぎるのとライトが点灯するとまぶしすぎました。最近は動画メインな世の中になってきています、実は動画撮影者は結構大変で苦労してるのではないかと思いました。
2024.10.18
CDI直結キットもできました。詳細は こちらです。メインハーネス開発していく中で8ピンCDIの解析が進みましたので、ようやくできました。今回のものはメインハーネスから電源をとりますので、キーに連動します。次はバッテリー直結タイプをつくろうと考えています。このキットを製作するのにも結構、試作・テストをしたので、その内、別に開発記事を書こうかと思っています。
メインハーネス交換はまだ大丈夫だけど、電装がへたっている人にはぜひ レッカー対策などにもっておいてください。16ピンCDIの後期型の方に向けて製作しました。
2024.11.2あたり
中華ヴェク・GN125系用の キャブヒーターキットが入荷しましたので、早速 加工済みメインハーネスなどに合わせて開発をすすめます。
しかも今回入荷分は 15Wとヒーターの出力が下がりました。ずっと25Wだったのですが、ついに中国もさげてきました。これはおそらく常時点灯などのモデルが増えているので、さげたのではないかと思いました。キャブヒーターを直流接続で使うときで、キャブヒーターへの電力をさげると セルモーターは少し元気に回ります。が、ヒーターが弱いと今度はガソリンの気化が弱くなるので、始動性も悪くなるので難しいところですね。
アイシング対策メインで、始動性時の気化促進をしないでいいなら、 キャブヒーターを交流接続するのがいいです。エンジンが回転しているときのみしかキャブヒーターには電力がいかず、キーonだけではキャブヒーターが温まりません。始動時にセルモーターの回転パワーを重視するなら 交流接続なのですが、エンジンが爆発するためには気化も促進された方がいいみたいなので、最近はほとんどが直流接続ですね。直流接続なら寒冷地で零下のときは、キーonで5分放置してキャブレターを温めて、それからセルモーターを回転させればエンジン始動性はかなりよくなりそうですね。交流接続だとこのようなことができないです。25W程度ですし、バッテリーの性能が上がっているのも最近はほとんどが直流接続になっているのだと思います。なので、直流接続で作成していきます。
まずはサービスマニュアルを確認します。
直流方式の接続はこれだけで簡単なのですが、見る前はヒーターのアース側にサーモスイッチをつけようとしていました。マニュアルではアーススイッチではなくプラススイッチです。どちらでも大丈夫な気がしますが、念のために同じプラススイッチにします。
まずは間違え防止のためになるべく実物で配線を書いていきます。(書かないでやるとよくオスメスなどを間違えます。)位置的には CDI直結キットのようにオートチョーク配線からプラスラインを利用します。このようにするとオートチョークはそのまま使えます。残りはアース線でして、最初は位置的にセルリレーの入力ラインの黒白線にしようと思いました。しかしここだと間違えて黒黄線に接続する可能性もあるので、いつもどおり間違えようがないエンジン・フレームアースにします。
試作できました。いつもどおりゴミ線を利用しているので色などが適当です。この試作見てサーモスイッチをやめて単なるボタンスイッチにすれば手動でキャブヒーターを利用できるようになりますね。個人的には手動でキャブヒーターを利用したくなりました。
実車でのとりつけはキャブにつけるので、こんな位置・取り回しになりそうです。
次は実車にてフィッティングをします。
つづく・・・・
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