CB125T メインハーネス 一式 電装 スイッチ類 開発 50年 30万キロへの考察
CB125Tで 50歳・50年 30万キロをやりましょう。現在なら可能です。
はじめに
国内のCB125Tの最終型は2003年ですので、現時点(2022.7)でもう20年ちかくたっています。保管状況にもよるのですが、メインハーネスももっても30年だと思います。メインハーネスが劣化するといたるところで、電装関係が不安定になります。メインハーネス内部でも被服(ビニル)はがれていろいろなとこで電気が漏れます。最初は はがれたところだけを直せばいいのですが、すぐにどんどんはがれてきりがなくなります。末期症状ではよく突然エンジンが止まったりします。メインキーも20年たつとonでも抜けるようになったり、メインキー内部で接触も悪くなります。ハンドルスイッチなども含めて 電装部品は最後はオーバーホール不能になります。こうなると新品交換がベストです。
大排気量バイクだと屋内保管されていますし、雨の日には乗らなかったり、大切にされているので、40年近くメインハーネスがもつこともあるみたいです。CB125Tのような実用車は毎日乗られていることも多いので、40年はまずもたないと思います。私のケース(ヴェクスター150ですが)ではずっと雨ざらし・洗車なしだったので20年・10万キロでメインハーネスはだめになりました。メインハーネスも時間と距離の両方で劣化します。例えば、30年・5万キロ とか 10年20万キロ などみたいな感じでしょうか。実はメインハーネスを制作してくれるところも国内にはいくつかあるのです。(とても興味深いので、ぜひ 読んでみてください。有名なところでは このへんです。http://business4.plala.or.jp/hi-side/)
しかし 当たり前ですが、特注みたいなもので 非常に高くなります。
(例えば、RZ250だとメインハーネスだけで4万円ぐらい レフトスイッチのみで2万ぐらいです。さらにライトスイッチ メインキーはないみたいです。)
おそらく 国内のCB125T乗りの方は CDIが一個になった後期型(1993-2003)の方が多いと思います。メインハーネスが劣化しましたら、中華CB125Tのハーネスを選択することを強く勧めます。たとえば、10年後に後期型のメインハーネスを制作できたとしても 合うCDIがまずありません。おそらくCDIの2個化が必要になりますし、さらには合うメインキーもありませんので、こちらも制作が必要になります。かなり大変になりますので、お金もすごくかかると思います。一気に前期型とほぼ同じ中華CB125Tメインハーネスにできれば、CDIも選択肢たくさんありますし、メインキーも含めて全部快適にできます。10年後はおそらく中華CB125Tのメインハーネスなどもなくなっていると思いますので、本当に今のうちです。前期型にできれば、ライトのON OFF ポジションもできてさらに快適になると思います。
もちろん、CB125Tの前期型のかたは もうほぼ30年・30歳ですので、メインハーネス周りをぜひ 一新してあげてください。これで安心して遠出できるようになります。ツーリング先でレッカーになると本当に最悪です。保険があってもほとんどが高額の支払いになります。ぜひ30年前の旧車でも快適なツーリングをしてください。
もともと 当店には 中華CB125Tの メインハーネス や メインキー ・ハンドルスイッチなど ありますが、組み合わせて 利用するには 配線加工が必須でした。 配線嫌いな方には難易度高いです。配線加工しないで、そのまま入れ替えで利用できるものはないかとずっと探していました。そしていろいろ仕入れてきたのですが、どれも だめでした。実はこれは中国の事情で、他の車種でも同じです。中華メインハーネスにあわせて、メインキー ・ハンドルスイッチなどの電装を合うように指定してもまず合いません。中華メーカーはどこも適当なのでだめです。口では合うといいますが、実際に届いたものは合いません。クレームつけてもメール・電話ごときではだめです。クレーム処理されたとしても最終的には返品・返金されるだけです。部品が合うようにはなりません。これはどの車種・めーかーでも同じです。中国の文化・習慣みたいなものです。なぜこのようになるかといいますと。中国の事情がありますので、まずはCB125Tで解説します。
中華CB125Tは中国でも人気だったみたいで、たくさんのメーカーからライセンス生産されています。(コピーもあるらしいのですが、単気筒なので無視できます。)とりあえず、JLホンダと銭江モーター(QJ)が多く さらには リーファンもあるようです。あとは小メーカーもいくつかあるようです。そのため 電装も複雑になりバリエーション豊かです。防犯機能つき だったり、メーター内にギヤインジケーター付きモデルもあったり、タコメーターが電気式もあります。同じメーカーでもバリエーションがあるので、同じメーカーでハーネス類一式をそろえてもほぼ合わないです。さらには150cc版もあります。一番の理由はメインハーネスはまず売れないので、あったとしても古いのしか残っていません。そして他の部品はどんどん新しくなり仕様変更されて合わなくなります。あとは大メーカーでもメインハーネスは儲からないので最初から売っていないことも多いと思います。
ずっとこのような感じだったので、ハーネス類一式をそろえるのはあきらめていました。が、たまたま CB125Tのメインハーネス工場を見つけることができたので、彼らに聞いてそのメインハーネスにあう部品がわかるようになりました。これでようやく ハーネス類一式をそろえることができました。(おそらくJLホンダの下請けです。)なので、この工場がCB125Tのメインハーネスを生産やめてしまったらもうそろえられないもしれないです。バラだと以前のように自分で配線を組み替えたりする必要がでますので、配線嫌いな方にはつらいですね。
国内前期型のCB125Tと完全に同じメインハーネスだったらよかったのですが、やはり、細かいところで 仕様変更がありました。
それでは、CB125Tの日本国内事情に合わせて、当店は メインハーネス一式を開発してきます。
CB125Tのメインハーネス一式開発
ここからは時系列でいきます。
2022.7.25頃~
届いたメインハーネスです。一見いつもどおりですが、
このラベル見てください。どこにつなげばいいか書いてあるのです。私は感動してしまいました。日本メーカーより親切だと思いました。ただ残念なのは、ラベルが ベタベタではがれやすく、開封して 接続したり、動かしているときに何枚もはがれてしまいました。さらに、長い髪の毛が何本かくっついているのも少しキモかったです。女性工員が必死に作ってくれたのでしょう。この詰めが甘いのも中華パーツのアルアルです。
ラベルは中国語なので、なんとなくわかるものとわからないところがあると思います。すべての中国語を解説するよりも具体的な接続を解説したほうが早いので、そちらでいきます。たくさんありますので、ひとつづつやっていきます。まずは、このメインハーネスに合う パーツの紹介です。
まず 左右ハンドルスイッチです。国内と大きく違うのは ヘッドライトへの 接続ハーネスがないところです。
メインキー一式です。他の中華と違い 接続は 6Pカプラのみでした。
検証の結果 配線の色も 接続も 国内前期型と同じでした。さらにキーの刻印がホンダウィングマークでしたので、JLホンダ用でした。このタイプの配線は私もはじめてです。
スピードメーターです。国内と違い ウインカーが 左右独立して点滅します。HXの表示がおそらく どこかのメーカー名です。個人的にはJLホンダ刻印が欲しいのですが、そうすると 今度はメインハーネスと合わなくなるのでしょう。(参考 こちらです。配線が全然あいません)
そしてちっちゃい専用部品の シリコンレクチャファイヤ です。ダイオードの一種らしいです。こんな部品必要なのですね。よく調べてみましたら、国内仕様にもありました。ホンダのミッションバイクにはよく採用されているみたいです。国内仕様は両方ともオス接続で間違えやすのですが、中華の方が改良されています。これなら接続も間違えないです。
メインハーネスと
左右のハンドルスイッチ一式
キーセット一式
スピードメーター一式
シリコンレクチャファイヤ
の5点セットです。これがメインハーネス屋がいう 必須アイテムです。
たしかにあとは 簡単なレギュレターやウインカーなどの電装パーツつなぐだけでよさそうです。一番面倒な配線がそろっていますね。
2022.7.26頃~
それでは メインハーネスとの接続です。まずは いきなり ヘッドライト付近の接続です。
まずは 左右のハンドルスイッチをメインハーネスに接続します。9Pカプラを2か所接続します。9Pカプラはオスメスがちゃんとわかれていますので、間違えようがないです。さらに色も一緒でした。あと注意は 左ハンドルスイッチ と 右ハンドルスイッチ が 青/白線で接続しているところです。この写真の上部分です。車体にハンドルスイッチをつけるときはおそらく、この青/白線をはずしたほうがいいので、メインハーネスと接続したときに忘れずに また 青/白線 同士を接続してください。
次は メインキーの接続です。6Pカプラで、ここの一つしか6Pはないので間違えようがないです。接続色も同じでした。簡単ですね。
その次は スピードメーターとメインハーネスの接続です。3Pとあとは オスギボシ接続です。3Pは間違えようがないです。が 4本のオスギボシは色で接続します。オレンジ 茶 は 簡単ですが、 空色 と 青色が少し わかりにくですね。青色は1p同士の接続ですが、空色は メインハーネス側が2Pの2口ギボシです。ここを注意してください。このぐらいですので簡単ですね。接続以上で、あとはヘッドライト付近で余った接続の解説です。
薄緑と 黒の 配線は ホーン用です。CB125Tは ダブルホーンなので、2つあります。2つのホーンに接続してください。
最後が フロントウインカーとの接続です。左ウインカーが オレンジですので、オレンジと 緑線に接続してください。 右ウインカーが空色ですので、空色と 緑線に接続してください。これで ヘッドライト付近の接続はヘッドライト以外は終わりです。
シリコンレクチャファイヤの接続です。メインハーネスとの中間部分にあります。薄緑/赤 と 緑/赤 との接続です。オス めすが分かれているので刺しミスもないと思います。これで、一式の接続は終わりです。本当に簡単であっけなかったです。実は別車種(ヴェクスター)にて防犯機能付きの中華メインハーネスを解読・開発したことがあるのですが、複雑で難解で半年以上かかりました。ホンダのワイヤリングがシンプルで涙でてきました。次はこのメインハーネスなどの接続にての動作確認などの検証に移ります。
灯火類のチェックをするので、ウインカー リレーを接続しました。もともとは10Wの2ピンなのですが、一番楽にICリレーを接続しました。(無音タイプは こちら。)ICリレーだとウインカーの容量などを無視できて簡単で、おすすめです。特にLEDバルブ入れるときは必須です。他には フロントブレーキスイッチなども接続しました。
全体写真です。一式の5点セットをつなぎました。検証のためにバッテリーやICリレー・ブレーキスイッチなどにも接続します。
2022.8.2頃~
検証結果です。
フロントウインカー左右 リアウインカー左右 点滅動作OK
ブレーキランプ点灯 OK
ホーン動作OK
スイッチがポジション時に メーター内 リアランプ内 ヘッドライト内 点灯OK
スイッチがライトon時に ヘッドローライト点灯 OK (ポジションは点灯したまま)
パッシングスイッチは キーonなら いつでも点灯 OK
スイッチがライトon時のみ メーター内の ハイライト点灯。つまりハイライトが点灯していないと メーター内も点灯しない。動作OK
キルスイッチ 動作OK キーonでも キルスイッチにてCDIへの電源を切れます。(国内仕様と同じでした)
メインキー パーキング時は キーが抜けて、ポジションランプのみすべて点灯します。エンジンは停止・始動不能になります。おそらく国内仕様と同じです。
クラッチスイッチ ニュートラススイッチ 動作OK。キーonでクラッチを切ればギア位置にかかわらず セルモーターは回りエンジンは始動します。また ニュートラル時には クラッチを切らなくても セルモーターは回りエンジンは始動します。シリコンレクチャファイヤはこのためにあるようです。シリコンレクチャファイヤを接続しないと ニュートラル時にはセルが回りません。
この写真は クラッチを切らずに ニュートラルを入れ(点灯させ)セルスイッチを押したときに セルモーターが回るか エンジン始動できるか どうかを テスターにて検証したときのものです。ネジやクリップやリード線がたくさん必要で面倒です。
実車がないので、メインハーネス一式の検証はここまです。この程度の検証だけでも3日ほどかかりました。あとは 実車にて 発電・点火系統が動作すればOKです。配線を見る限りはまず問題なさそうです。ホンダ車はシンプルで素敵なワイヤリングだと思いました。
最後は ヘッドライトの 配線を制作します。このメインハーネスのヘッドライトの配線は ハンドルスイッチではなく、メインハーネスにあり、しかも 4Pカプラです。このカプラにあう 中華CB125Tのヘッドライトがまだ見つからないので、国内仕様と同じ H4バルブに合わせて制作します。実は中華CB125Tはほとんどが H4BSという ヨーロッパ 中国タイプなので、おそらく国内CB125T乗りはいやがるのが目に見えています。
国内では自動車と同じ H4が人気なので そのうち H4対応する角目ヘッドライトも探しておきます。
ペン先部分の4Pカプラが メインハーネス部分の ヘッドライト接続部分です。(大灯)が中国語でヘッドライトです。唯一の4Pカプラなので間違えないでしょう。このままでは ヘッドライトに接続できないので、配線を制作します。
制作したものです。H4バルブと フロントポジションランプに接続します。最初なので長めの30cmで作りました。4Pの配線色の区別は 緑がアース 白がローライト 青がハイライト 茶がポジションランプ です。ポジションランプのアースを共通しているので分岐しています。丸目ライトに変更するときは参考にどうぞ。
メインハーネス中間部分での接続です。実際に電装パーツをつなぎましたので、これで一目瞭然ですね。まず接続はほとんどが同じ色ですので 簡単でした。この写真で接続していないのは 緑色の車体フレームアースだけです。バッテリーのマイナスから延長されている部分と共締め部分です。CB125Tを長くのっていれば、バッテリーの交換をしたことがあると思いますので、すぐにわかると思います。もしなかったら、CDI横側にある 緑色線は 車体フレームアースとバッテリーのマイナスを接続してください。
ネットから画像を拾ってきました。ピンクの矢印のところです。ここに接続してください。バッテリーのマイナスも一緒に接続されていますので、忘れずに接続してください。
他にも注意は イグニッションコイルの接続です。黄/黒色がレフトシリンダー側で車体左側で、 黒/黄色がライトシリンダー側で車体右側です。ちょっとわかりにくいのですが、黄色が強い方 はっきり黄色がわかるほうが左側です。この写真でいうと上側のイグニッションコイルです。もし左右の接続を間違えても 点火はするが、エンジン始動(爆発)しないだけだと思います。ラベルで左右の記載がなかったので、国内の配線図から解読しました。
拡大写真です。右側が黄/黒色で、黄色が強い色です。 レフトシリンダー側で車体左側のイグニッションコイルに接続してください。
最後はテール(後部)の接続です。
n
セルリレーと ウインカーリレーを接続しました。色は同じでした。鉛筆の先部分の2Pカプラは リアフットブレーキスイッチと接続してください。(この場合は こちらのタイプです。国内仕様はほとんどがギボシ接続です。 こちら)一番左側は ウインカーなどの灯火類です。
拡大写真です。右側の3Pカプラは リアストップランプと接続です。他の配線はフロントウインカーと同じで、左ウインカーが オレンジですので、オレンジと 緑線に接続してください。 右ウインカーが空色ですので、空色と 緑線に接続してください。これで リア部分付近の接続はすべて終わりです。
以上で 中華CB125Tメインハーネスの接続はすべてです。国内仕様と比べると CB125Tf型のメインハーネスと配線系統システムはほぼ同じで、少し改良され 耐久性や信頼性があがっていると思います。例えば、ヘッドライトの配線がレフトハンドルを経由しないので、ウインカースイッチなどが接触不良起こしても、ヘッドライト・ポジションランプに影響がないです。ハンドルスイッチ類はメインハーネスと比べると故障・接触不良しやすいです。国内後期型CB125Tだとサイドスタンドスイッチも追加されているのですが、他の中華CB125Tメインハーネスにはないかもしれないです。回路図をみると、サイドスタンドスイッチがあるとその分複雑になります。つまり、耐久性が少し落ちます。どっちにしても 国内CB125T乗りの方も サイドスタンドスイッチをキャンセルしている人が多いので、実用上は不要だと思います。もし この中華CB125Tメインハーネスにサイドスタンドスイッチを追加したいのでしたら、キルスイッチと並列配線をすればいいかと思います。こうすることでダイオードの追加などしないで、サイドスタンドを出すと常にエンジンが停止するようになります。(キルスイッチと同じ動作になります。)
それでは、次は先行販売に向けて準備します。
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