バイク (旧車) イグナイター 点火器 点火ユニット の フルトラ化 CDI化 の 研究 実験(ヴェクスターのフルトラ化 2020.8頃開始)
≪はじめに≫
点火器に関して、ボルティー250はフルトラ式で、グラストラッカー(キャブ車)はCDI式です。ヴェクスターも含めて ホンダ車はほとんど CDI式だと思うのですが、私はずっと ボルティー250などのGN250系もすべてCDI式だと思っておりました。違いに気が付いて ようやく理解できたのは最近2020年になってからです。あるお客さまの指摘によってようやく気が付くことができました。お恥ずかしいかぎりです。当店を古くから利用されている方はお気づきだと思いますが、当店は電装・特に点火器が好きで力を入れています。ヴェクスターだけでなく、絶版になってしまった点火器を何種も開発してきました。最近だとCB125TのCDI2個化やCD125Tの後期型CDI などです。(そのうち情報を整理します。)
フルトランジスタ式とCDI式の説明はここではできませんので、検索するなどしてください。簡単にいうと 点火方式が全く違い 互換性ないです。キャブとインジェクションぐらい違うといってもいいぐらいです。(ちょっと言い過ぎですね。交流CDIと直流CDIぐらいの違いですかね。よけいわかりにくいですね。)まあ どっちにしても バイクの電装に興味がない人にはどうでもいい話で、パワーアップなどのメリットがあって、さらに簡単に利用できるなら試したい程度でしょうね。私も昔はそうでした。(2020.8.21追記 シンデンゲンのページに解説がありました。最新式点火ユニットでの説明ですが、わかりやすいです。https://www.shindengen.co.jp/products/electro/motorcycle/dccdi/)
よくよく調べてみると ヤマハ系はフルトラ式が多いですね。当店でいえば、XV250、マジェスティ125 マジェスティ250などなどでフルトラ式です。
てっきり、フルトラ式は旧車用で、CDI式に劣ると思っていたのですが、違うようです。シグナスXでさえフルトラ式ありますので。最近だとTCI式(Transistor Controlled Igniter)などとも言われています。
(2020.8.19追記 ひょっとしてと思って、アドレスV125も調べてみたら、初期型はCDIで途中からフルトラになっていました。)
一般的に言われているのは 低回転はフルトラで高回転はCDIがよいとのことです。でも ヴェクスターから見ると シグナスXは高回転型だと思います。単気筒なら13000rpmも回せないので、この程度ならフルトラで十分なのかと思ってしまいます。さらにエンジンを回さない燃費重視野郎(私)にはフルトラの方がいいのではとも思います。となると ヴェクスターをフルトラ化したくなるのが、オーナーの気持ちですね。ヴェクスターのフルトラ化なんて聞いたことないので、早速やってみようと思いました。さらに言うと ボルティーやグラストラッカーで フルトラ化⇔CDI化できると面白いですよね。実はすでに中国にてマッピング可能なフルトラ式の点火器見つけました。将来的にはGN250系でチューニング イグナイターを設定できそうでいいですよね。夢はいくらでも広がるのですが、現実は甘くないです。まずは一歩一歩やっていきます。まずは ヴェクスターのフルトラ化です。そしてインターネットでCDI車でフルトラ化した人がいなか調べてみましたが、ほぼ見つけられません。まれにフルトラ車の方がCDI化するぐらいでした。さらに言うと、ほとんどの方がCDIとフルトラを混同していて、情報が滅茶苦茶で調べるのも大変でした。(もちろん私も最近ようやく区別できるようになったのですが。)仕方ないので、いつも通り自分でやるのみです。実験で壊れても直せばいいだけのことです。
では、まずはフルトラの理解からです。まずはわかりやすいGN250系の直流フルトラ式のイグナイターのシステム図です。おそらく一般的な直流式のフルトラのイグナイターです。

GZ250のシステム図です。GZ250のマニュアルよりです。一番シンプルな回路だと思います。わかりやすくていいですね。(メーカーに著作権帰属します。URLの表記は盗用防止のためです。)
そして、ヴェクスターの直流式のCDIのシステム図です。

ヴェクスターの直流式のCDI(8ピン)のシステム図です。マニュアルよりです。サイドスタンドスイッチ類や PTC回路を除けば、普通の直流式CDIシステムです。GZ250より少し複雑ですね。
両方とも直流でそろっていますので、比較が楽ですね。CDIには旧車は交流式多いですので、おそらく交流式のフルトラ式のイグナイターも存在しているのでしょう。なので、今回は直流式の電装での比較ですので、流用する方は注意してくださいね。もとが交流CDIだと 直流配線を作成しないと直流式のフルトラのイグナイター利用できません。CDIの直流化と同じですが。参考こちら
では、早速フルトラとCDIのシステム図をみて 比較してみると パルス
入力は同じそうな感じで、進角を決めるマッピングのCPU(コンピューター)も同じような感じです。さらに、もともとヴェクスターにて GN125用のパルスは流用できることを知っていましたので、おそらくパルス入力は大丈夫でしょう。イグニッションコイルの配線のみ違うのではないかと思いました。違いは イグナイターから コイルへの入力配線を除くと もう片方の配線が CDI式はアース線で、 フルトラ式は +12V線に接続していることです。見事逆になっていますね。
なので、結論は 単に イグニッションコイルをフルトラ式のものに交換して、このイグニッションコイルにプラス線をつなぐだけで、いけると思いました。元CDI車のフルトラ化は イグニッションコイルをフルトラ式に交換して、キーonで+12Vが流れる線を探してきて、この線をイグニッションコイルにつなぐだけだと思いました。くどいですが、前提条件として同じ直流式でパルス入力も同じでないとだめです。なので、場合によってはパルスが拾えないときは パルスコイルの変更が必要になると思います。(ただしこれは現実的ではないと思います。)
ちなみに、イグニッションコイルを混在させるとうまくいきません。過去にCDI式の点火器に フルトラ用のイグニッションコイルをつないで使用したことがありましたが、すぐに壊れました。2-3か月で点火しなくなりました。フルトラ用の一次コイル入力は12Vで、CDI用のの一次コイル入力は200V程度と聞いたことがありますので、10倍以上の電圧がありますので、耐えきれませんね。すぐに切れてもおかしくないと思います。逆(フルトラ車にCDI用のイグニッションコイルを利用)はまだやったことありませんが、やる意味が感じられないので、おそらくやりません。ただ聞いたところでは点火して利用はできる、走行はできるレベルのようです。気が向いたときにやってみます。
ではせっかくですので、逆も考えてみます。もとはフルトラ式のバイクをCDI化するときはどうすればいいのか。『ボルティー250・GZ250をCDI化するにはどうすれば、いいでしょうか?』です。
また同じように、同じ直流式で、パルスも利用できて問題ないとします。
結論はおそらくですが、CDI用のイグニッションコイルを用意して、このイグニッションコイルに新しくアース線をつけるだけでいけると思います。ボディアースやエンジンアース車がほとんどですので、もっと簡単ですね。あまってしまったもともとイグニッションコイルにつなぐ線は+12V線ですので、ショート防止のためにも必ず絶縁するぐらいでしょうか。
おそらく、この改造は他の人もたくさんやっていると思いますので、ネットにて検索してみてください。
では 早速 今回は ヴェクスター(CDI車)のフルトラ化ですので、早速実験してみます。
≪ヴェクスター(CDI車)のフルトラ化の実験テスト≫
まずは、部品を用意して、配線を作成します。最初ですので、実車にて点火すれば、OKです。
用意したものは

GN250用のイグナイター(フルトラ式)
と

GN250用のイグニッションコイル(フルトラ式用)です。
あとは 8ピン用のオスカプラです。
他にもリード線やギボシなどがありますが、割愛。

ヴェクスターの点火器への接点は8ピンですので、これにあわせて配線します。接続するのはメインハーネス側になりますので、反転させてからです。私は間違えないように、まずはCDIと接続したまま メインハーネス側にラベリングします・しるしをつけます。

これが、GN250の配線図です。ヴェクスターのメインハーネスにあわせてつなぎます。特に難しいことありませんね。そのままつなぐだけです。ex GN250のパルス+は ヴェクスターのメインハーネス側のパルス+につなぎます。以下同じです。
できたものが こちら↓です。

ヴェクスターのメインハーネスに合わせて配線したものです。実際は作成時に撮影していなかったので、テスト後に取り外したものです。GN250イグナイターへの接続に6ピンカプラを使用していないのは別のイグナイターも試す計画があったからです。実車なしで室内にて制作したので、IG配線は車体ハーネスを経由せずにイグニッションコイルに直結しています。(後日のテストにて、CDIとフルトラをすぐに交換できて正解でした。)

早速 ヴェクスターに取り付けます。CDIをはずして、GN250のイグナイターを取り付けます。次に点化プラグにプラグキャップをつけかえます。(イグニッションコイルもGN250用に交換します。)最後にコイル用の+12V線をとります。次の写真です。

イグニッションコイルのプラス側 +12V線はあまっているオートチョークラインから取りました。メインハーネス側の+12Vに割り込ました方が楽なのですが、電流不足を考慮して、あえて近い場所を選びました。今思うとどちらでもOKだと思います。
では、テスト結果です。予想通り、点火はすぐしました。点火プラグをはずして目視にても確認しました。一応アイドリングもする、低回転のトルク強い、そして爆発音大きくなりました。うわさ通り、低回転強くなっていました。そして、走行テストしてみます。
なんとか走れるが、ギクシャク感がすごくて、走れたものではありませんでした。一応70キロ程度まではでました。(すべて私有地テストコースにて)あきらかに進角マップがあっていない感じでした。キャブセッティングにてどうにかできるかもしれないのですが、現時点でCDI式では通常走行できていますので、キャブセッティングする気ありません。
こうなったら、いつも通り、別のフルトラ式のイグナイターを試そうと思いました。とりあえず、点火していますので、CDI車(バイク)のフルトラ化は成功ですね。あとは楽に 実用に耐えうるイグナイターが見つかることを祈るばかりです。
早速 元にもどし (CDI式に戻し) 走行して、帰宅します。
その後(だいたい一週間後)、あらたに2種 点火器を用意しました。
GN125用とGS125用です。いつも通り、まめに写真をとりませんので、ほぼ結果だけです。

フルトラ式のイグナイターを入れ替えいく イメージ写真です。左がGN125用、中がGS125用 右GN250用 です。イグナイターごとに配線を合わせてつなぎます。
実験結果です。

まず、GN125用です。詳細はこちら
なんとか アイドリングできるが、アクセルをあげるとエンジンがとまります。アイドリングのみできるのみで、ほぼ走行できませんでした。GN250と進角マップかなり違うのですが、だめでした。とても悔しい!

つぎにGS125用のイグナイターです。詳細はこちら
エンジンかかりません!アイドリングどころではありません。ごくまれに爆発するのみでした。点火プラグを外して 点火テストするとあきらかに火花が飛んでいます。つまり全く 点火マップがあっていないとうことですね。GS125とGN125かなりちがうかもしれません。溜息がでます。まあエンジン壊れなくてよかったです。以前のCDI開発のときはセルケッチン多発してワンウェイクラッチにダメージいきました。
・・・・・3種試しましたが、全滅でした。個人的にはGN250かGN125がいけるのではないかと思っていましたが、見事予想が外れました。またいやな予感がします。しかし、まだ中国にはフルトラ式のイグナイターがまだありますので、リベンジかけます。(最後はプログラング式もありますので)個人的印象なのですが、プルトラ式の点火は CDI式とくらべて着火速度が遅いのかなあと思いました。なので進角が全然あわないのかと。次も何種かイグナイターをテストしますので、中華サイトにてイグナイターをあさっていきます。今のところ よさそうなのは中華マジェスティ250用ぐらいしか見つかりません。ひまを見て 調査をつづけています。
2020.9.1頃
フルトラ式の点火ユニットを探しているうちに、ふと思い出しました。当店がCDIの特注をしているJP(精派JING PAI電器 以下JP のことです。中国の電装工場・メーカーです。)にもひょっとして、フルトラ対応の点火器があると思い、早速問い合わせみました。そうしたら、EN125用があるとのことでした。そして、点火特性について聞いたら、マップを教えてくれました。コロナショックでたまたま時間があったのでしょうか。なんとマップはきれいな曲線で、なめらかでした。このマップを見て即 ほしくなりました。いろいろGN125系(EN125も)のマップを見たことがあるのですが、JPのマップのように最大進角20度のものもないですし、さらにはピークが2つもあるのがすごいと思いました。S字カーブといってもいいですね。早速仕入れます。案の上、『この点火器はフルトラ用だからCDI式には使用できないよ。』と しつこく注意されます。やっぱり中国でも区別できない・わからない人が多いようです。

これがそのマップです。きれいに細かく設定されているためほぼ曲線にみえますね。通常ノーマルのマップは直線でかかれています。リニアです。

こんな感じです。
EN125だけでなくGN125系の人もこれはほしくなると思います。GN125系の8Pイグナイターはおそらく種類が多すぎて、マップの区別がつきにくいですし、純正で買ってもマップ選べませんので。おそらくGN250系も利用できると思うので楽しみです。

こちらが届いたイグナイターです。詳細は こちら
早速 ヴェクスターとの接続キットの製作にかかります。

この図がJPのENイグナイターの配置です。通常のEN・GN系は4配置なのですが、JPのものはRPM出力が余分にあるのだと思います。通常は4配置なのですが、JPのものは一つ多いですね。あるいはノーマルENのモデルによっては RPM出力があるのかもしれません。とにかく、ユーザーとしては RPM出力があるのでお得ですね。さすがJPです。ヴェクスターには電気式タコメーターないので、今回は利用しないです。8ピンになってどんな配線が増えるのかと思っていたら、1つ減っていますね。さらに合理化していますね。アースとパルスアース(PC-)が共通になっていますので、流用するときはこのイグナイターのアースに パルスアースも接続することが必要になると思いました。おそらく8ピンイグナイターのEN・GN系はパルスアースがアースと接続しているのでしょう。ヴェクスターの配線図をみるとパルスアースがアースに接続していませんので、このイグナイターのアースに パルスアースも接続します。

早速できたものがこちらです。今回は珍しく使用前の写真です。このイグナイターのアースに パルスアースも一緒に接続します。また今回はイグニッションコイル用の+12Vもイグナイター側からとりますので、さらにすっきりします。ただ実際はあまった配線を再利用したので、きたないですね。試作なのでこんな程度です。

このイグナイターのアースに アースとパルスアースも一緒に接続している接続ギボシです。二股キボシがあるとすっきりしますね。

イグニッションコイル用の+12Vもイグナイター側の+12Vと一緒に接続します。配線のオスメスが合わず、このためにだけに切る・作成するのもいやなので、仕方がないので、無理やり余った接続キットをつなぎます。(この後裏目にでます。)

早速 ヴェクスター車体に接続します。今回はイグニッションコイル用の+12V線をオートチョーク配線からとる手間が省けてよりすっきりしています。この写真は点火テストの写真です。点火プラグも別のを用意していますので、いちいち車体からはずさないでいいので楽です。が、しかしセルスタートボタンを押しても点火しません。なぜ? あせります。またもう一度配線図などを1から確認します。そして、ただ単に イグニッションコイル用の+12V線がはずれていただけだとわかりました。やっぱり適当な配線加工だったので、少し移動しただけで抜けてしまったのです。まさに急がば回れになってしまいました。炎天下の中、1時間ほど無駄にしました。接続を確認し直したら、あっさりいつも通りバチバチ点火しました。点火テストOKです。つぎは エンジンにてテストです。
おそらく、走行はできないだろうと予想していましたので、家の前でエンジンもテストします。点火・爆発は十分します。同じような タイプのGN125の5線タイプよりもアイドリングしやすいです。ただやはり、アクセルを開けるとエンジン止まってしまいます。マップが大きくあっていないのでしょう。走行テストするまでもありません。ただこのENイグナイターは なぜかとっても爆発音が強いのです。やっぱりJP製のイグナイターはすごいのかもしれません。まあ 予想どおりなので、次のイグナイターに期待です。予定ではもう2個程度しかありません。もともとフルトラ式のイグナイター自体がCDIと比べると本当に種類が少ないです。プログラミングイグナイターも最後はやりますが、その前にキャブセッティングなども含めて少し考えたいと思います。とりあえず、現時点では薄々仕様でして、たしMJ90番ぐらいだったと思います。ノーマルより10番以上落としています。限界まで下げています。例えると、居酒屋でサワーを口にして、『なんだこのサワー 薄すぎるぞ、酒はいってのか!ふざけんな つくりなおせ!』という怒り出してしまうレベルだと思います。
せっかくですので、興味ありましたらフルトラ化した動画の視聴をどうぞ。ノーマルCDIと比べると音の強さがわかると思います。同じ条件で撮影しています。フルトラ化するだけで爆発音がカスタムSRみたいになります。つまりグラストラッカーではCDIのままではいくらマフラーなどかえてもいい音でないのではと思いました。おそらくフルトラ化には勝てないでしょう。低回転のテイストや渋さを出すにはフルトラ化でしょうね。
ヴェクスターのフルトラ化した音(EN125のJP製イグナイター使用)
30秒 MP4形式 10メガ程度くりっくしたらいきなり再生すると思います。 動画こちら
ヴェクスターのノーマルCDIでの音 6メガ 動画こちら
ついでに ヴェクスターのRC CDIでの音 ノーマルと比べるとあまりわからないです。6メガ 動画こちら
2020.9.20~
ボルティー前期イグナイター6ピン用の変換カプラを2種製作しました。フルトラのままですが。

GN125 5線用 詳細などこちら
GN125 8線用 詳細などこちら
ボルティー用のCDI化キットを早くやりたいのですが、まだまだ先になりそうですね。ボルティー前期用のフルトラ用のイグナイターが先です。これで、ボルティーにてフルトラ用の選択イグナイターがぐっと増えます。当店だとまだ3種ですが、8Pタイプをもう少し入れていくつもりです。ボルティー前期のフルトラ式はこんな感じで、最後にCDI化やろうと思っています。ただCDI化に興味ある人がいるか微妙なところです。CDI化できるとさらに選択幅増えますし、さらに寿命が伸びると思います。CDIの方がフルトラより将来的にはあると思います。例えば、20年後にGN125系のフルトライグナイターが中国でなくなっても おそらくホンダかぶ系のCDIはまだあると思います。余計な心配だとも思いますが。。。まあ 高回転追求する方やレースやる人にはやっぱりCDIだと思います。ただ次は ボルティー後期用8PのGN125系への変換カプラの方が先だと思います。古い順ですね。
2020.10.2頃

ヴェクスターにて新たに2種 イグナイターをテストしました。上の写真には4つ写っているのですが、試したものは2番のYM8P(右上)と4番のYM5P(右下)です。他のものはすでにテスト済みです。
YMはYEMAの略でして、中国の重慶にある電装メーカーで、重慶松明電器のものです。当店ではイグニッションコイルなどがあります。このメーカーは進角特性・進角マップを教えてくれないので、しかたないので、こちらである程度の判別テストをします。
ではテスト結果です。
2番のYM8P アイドリングはするが、走行できない。アクセルをあけるとエンジンが止まりそうになります。3番の三信電気の5線タイプと同じ印象でした。おそらく最大25度なのでしょう。詳細はこちら
三信電気の5線タイプが実は絶版になったので、助かりました。
次に 4番のYM5P です。安定してアイドリングします。走行できますが、50キロぐらいまでで、とっても走りにくいです。中華GN250のものと似ている感じはしましたが、こちらは70キロまででますので、また違うのだと思います。あらたな 進角マップだと思います。GN125系のイグナイターがいろいろ進角マップがあることがわかりました。
今回も2種テストしましたが、だめでした。次はレーシングイグナイターをテストします。そのあとはキャブセッティングをノーマルに戻してテストをやり直そうと考えています。当初は簡単にヴェクスターのフルトラ化できると思っていたのですが、なかなか難しいですね。
2020.10.9頃~
なかなか、ヴェクスターにてまともにフルトラ化できずに、悩み もんもんと過ごしています。中国にてもマジェスティ250系のイグナイターもなぜか数が少ないようで、仕入れたいものが見つかりません。現時点ではGN系ぐらいしかフルトラのイグナイターは安定的になさそうです。
実は別件のパーツ開発にてトラブルがありまして、点火器などの電装をまた一から調べ直しました。そこで気が付いたのですが、実はパルス入力がうまくいっていないのではないかということでした。この開発の前提でGN125系とヴェクスターのパルス入力は同じで問題ないと思っていました。しかし、実は違うのではないと疑いがわきました。当店にも ヴェクスターとGN125系のパルスコイルの単体パーツがありますので、抵抗値などを調べてみると、GN125のコイルは130Ωで、かなり低かったです。ヴェクスターのものは210Ω,gn250のものは217Ωでした。
GN125のコイルがかなり低いのが気になります。てっきり200Ωぐらいだと思っていましたので。ヴェクスターにてこのGN125のパルスコイルを流用はできるが、GN125にてはヴェクスターのパルスが合わない可能性があると思いました。つまり GN125系のフルトラ式のイグナイターにはGN125系のパルスコイルでないとうまく利用できない可能性があると思いました。
そこで ネットでも調べてみます。さすがにGN125の情報はみつかりません。そしてガンマのCDIの開発などをしている人がパルス入力を合わせるために わざわざ回路を組んでいるのを見つけました。その方は電気回路に詳しいので、オシロスコープにてパルスの波形分析をしていました。パルス入力には正相入力と逆相入力があるようで、ガンマに合わせるために波形の位相を入れ替える回路を自作して、見事にガンマのCDIとして利用されていました。その方は パルス入力の位相を入れ替える回路を公開されていますので、ひょっとしたら、ヴェクスターにても利用できるかもと思いました。しかし 回路をみてもなぜ位相が入れ替わるのはよく理解できないです。ブリッジ回路のような気もしますが、抵抗値の指定もありますので、抵抗値の計算ができません。物理の授業をさぼっていたのが悔やまれます。試しに作ってみようかと思いましたが、よく調べてみると その方のガンマのパルス入力は+のみでした。つまりパルス線の片側がフレームアースと共通なのです。ヴェクスターはパルス回路が+とーですが、フレームアースには落ちていません。接続していません。単純に パルス配線を入れ替えるだけで位相を逆にできるのではかと思いました。なので、とりあえず、パルス配線を入れ替えて、やってみて だめだったらその回路をつくろうと思いました。

早速 パルスコイルを変換するカプラをつくりました。パルスコイルとメインハーネスの間に取り付けます。はずせば元通りなので、すぐに元にもどしてもとのCDIなども利用できて便利です。

ついでに8ピンタイプのイグナイターの配線もガッチリ作り直しました。さらにすっきりしていますね。

分岐するところもちゃんと配線を作り直しました。これで簡単に抜けることはありません。
それでは 実車(ヴェクスター)にてテストです。

まずは、パルス入力を逆にするために 変換カプラをパルスコイルとメインハーネスの間に取り付けます。こうすることでイグナイターへ入力が逆になるはずです。

イグナイターとイグニッションコイルを車体に取り付けます。最初はJPの8Pのイグナイターをテストします。
そして、セルをスタートしてテストしてみました。容易にエンジンがかかり、なんと なんと アクセルワークにエンジンがついてくるではないですか。アクセルを上げるとエンジン回転数もあがります。ちゃんとついてきます。(感動) 以前のテストでは エンジンのかかりも悪かったですし、アクセルを上げるとすぐにエンジン止まります。ついに走行できそうな予感です。早速、走行テストしたいのですが、実はリアホールが削れてしまい、リアタイヤが回らず走行不能なので、これを直してからです。あまりにうれしかったので、また動画を撮りました。アクセルワークにエンジンがついてくるのがわかると思います。
珍しく予想があたったのでよかったです。パルス入力を逆にする回路をつくるのも避けられました。GN125のパルスコイルの抵抗値が低いのは問題ないようです。これにて走行テストなどもすべてやり直しですね。ヴェクスターのフルトラ化の先が見えてきました。パルス入力を逆にすることに気がつかなかったら、キャブセッティングをしたり、さらにはプログラミングイグナイターにしたりして さらに泥沼化していたかと思いうとゾッとします。いやーここまで長かった・・・と思ったら3か月もたっていないですね。
ヴェクスターでパルス入力を逆にしてフルトラ化した音
(EN125のJP製イグナイター使用)
25秒 MP4形式 10メガ程度くりっくしたらいきなり再生すると思います。動画こちら
同じイグナイターでパルス入力そのままなのが下です。(以前のものです)アクセルワークについてこないですし、エンジン回転数あがりません。
30秒 MP4形式 10メガ程度くりっくしたらいきなり再生すると思います。 動画こちら
次は別のイグナイターにてテスト予定です。
(2020.10.15追記)
なんで、GN125とヴェクスターのパルス入力は逆になっているのでしょうか。コスパ重視(コストダウン重視)のスズキがわざわざ逆にしたら、コストが上がってしまうので、なんでだろうと思いました。そこでひらめきました。おそらく、ヴェクスターはGN125のローターを利用してコストダウンしているのではないかということです。ヴェクスターのローターを設計するときにGN125のローターを利用したため、逆になったと思います。というのは、ヴェクスターとGN125のマグネットローターの取り付け向きが反対なので、ローターの回転も反対になります。
パーツリストありますので、その写真です。

こちらがヴェクスターで、

こちらがGN125です。左側がどちらも進行方向なので、エンジンに対してお椀の向きが逆になっているのがわかると思います。ヴェクスターはお椀の底が外側に向いていますが、GN125はお椀の底が内側に向いています。
マグネットローターのお椀の向きは車種ごとにちがいますので、流用などするとパルス入力が逆になってしまうのでしょう。おそらく。
さらに少し調べてみると パルス入力が逆相になっているなどは旧車などで、ある程度あるみたいです。今までCDIなどの流用実験で、このことを知らなかったのはだめですね。たまたまうまくいくものが見つかっただけで、流用するときもパルス入力も考慮しないとだめなのですね。今回の実験でわかったことはヴェクスターとGN125のパルス入力が逆・反対になっていることです。ヴェクスターのパルス入力が逆相なのか正相なのかはまだわかりません。判定するにはオシロスコープが必要ですが、当分買う予定ないです。だれか知っていましたら、ぜひ教えてください。点火器の電気回路奥が深いですね。
2020.10.16頃~
ようやく、ヴェクスターのリアホイールを直したので、GN125のイグナイターの走行テストを軽く行いました。今回の走行テストでは、3つのイグナイターの走行テストをパルス入力を逆相にして、行いました。

まず、GN125用の5線タイプです。詳細はこちら
めちゃくちゃ速い!加速バッチリで、明らかにノーマルCDIより上です。体感ではレーシングCDI並です。とりあえず、80キロまでスムーズに走行確認できました。実用性十分です。やりましたね。ヴェクスターのフルトラ化成功って言えると思います。次は最高速なども試してみます。

次はJPのEN125用の8ピンイグナイターです。詳細は こちら
十分速いです。80キロまで確認しました。SX5Pのもの(上のもの)と比べると少し遅いです。加速が少し落ちます。が、ヴェクスターのノーマルCDIより速いと思います。つまり実用性十分です。多少 アフターファイヤーなどがでるときもありましたが、気にならないレベルでした。このイグナイターでも日常ユースできると思います。このイグナイターでもヴェクスターのフルトラ化できると言えると思いました。ノーマルCDIよりパワーありますし。

つぎにGS125用のイグナイターです。詳細はこちら
エンジンたまにしか かかりません。アイドリングできません。だめですね。パルス入力を逆にしても以前と大差ない感じです。
今回は3つのフルトライグナイターをテストして、2つも実用性十分でしたので、とてもいい結果だと思います。
点火マップを考察すると、GN250の最大進角35度ではだめで、GN125の最大進角25度で一番結果がよく、EN125の最大進角20度でも実用性ありましたので、最大進角20度から25度ぐらいが、ヴェクスターにあっているのではないかと思いました。ヴェクスターのCDIでは最大進角20度前後だと思いますので、CDIからフルトラ化すると5度ぐらい早めないとだめなのかもしれません。グラストラッカーとボルティーではCDIとフルトラの最大進角は25度と同じなので、エンジン特性や燃調にもよるのでしょう。あとは私のヴェクスターが燃調かなり薄めというのも影響しているかもしれませんので、参考にどうぞ。とりあえず、ヴェクスターのフルトラ化にて流用できるイグナイターが見つかってよかったです。フルコンイグナイター・プログラミングイグナイタなどはかなり複雑ですし、何よりもすごく高くなってしまいます。(フルコンだと安くて3万円ぐらいで、セッティングを頼むと10万円コースだと思います。)
せっかくですので、一番結果がよかったGN125用の5線タイプでの
ヴェクスターでフルトラ化した音をどうぞ エンジンのかかりが悪いのは燃調が薄めのためです。(オートチョークがすでにオフになっていますので)
40秒 MP4形式 20メガ程度くりっくしたらいきなり再生すると思います。動画こちら
次は他のフルトライグナイターのテストや 各イグナイターの評価・詳細試験・比較などをやりまして、どんどん実用化・商品化をすすめていきます。
2020.10.20頃~
ヴェクスターのフルトラ化キット販売に向けて ちょこちょこと 開発をすすめています。ちゃんとイグナイターの評価を数値にしたかったので、内容を考えました。 いつものように、ノーマルCDIを基準として、始動性 出足 低速 中速 高速 最高速 などを評価したいと思います。

この表(フュージョン250の時)のように 評価したいと思ったのですが、私のヴェクスターは低速重視の加速型セッティング(KWS2プーリーで7.5G)なので、どのイグナイターでも最高速は振り切ってしまいそうで、ほぼ違いがでなさそうです。そこで、考えたのですが、直線200mでの最高速がどこまででるか計測することにしました。0発進からフルスロットルにて直線200mの短距離走です。一人だとタイムをうまく測れませんので、GPSアプリにて最高速をだしていきます。使用したアプリは スマホ用の S Healthです。サムスン電子のギャラクシーシリーズに標準装備されていますので、広告表示などもなく、一番まともに測定できそうです。(本当はゼロヨン(400M)でやりたかったのですが、残念ながらテストコースでは200Mが限界でした。)

アプリの画面です。測定すると測定中の最高速もだしてくれます。赤丸の部分です。GPS測定ですので、メーター読みよりずっとマシです。使用したスマホは ギャラクシーS7 edgeです。2016年の発売当時は10万円近くした高級スマホです。私は新品で買えるわけないので、1年まえぐらいに約6000円でキズだらけのジャンクスマホをヤフオクで買いました。(現在も現役でメインスマホです。バイク・ヴェクスターは25年前でも現役利用できますが、スマホは5年前ぐらいが限界ですね。)
最後にまとめて、表にしますので、どんどん データを集めていきます。
まず、基準です。気象状況は 晴れ 20度 海抜10m ほど です。
ノーマルCDI(中華ヴェクスター用の8PノーマルCDIです。詳細こちら)
基準ですので、
始動性100 出足100 低速100 中速100 高速100
最高速(1回目70.9km/h 2回目74.4km/h 3回目71.1km/h 平均72.13km/h )テストは新品CDIを利用しましたので、ノーマルでもかなりいい値なはずです。
次にレーシングCDIです。詳細こちら
始動性100 出足110 低速110 中速110 高速110
最高速(1回目80.2km/h 2回目79.0km/h 平均79.6km/h )
使用したものは 5年以上経過していますので、新品だともう少しいい値だと思います。
ついで レスキューCDIのデータもとりました。詳細こちら
始動性105 出足110 低速110 中速105 高速105
最高速(1回目75.0km/h 2回目75.0km/h 平均75.0km/h )
新品のCDIを利用したのですが、まさかこんなにいいデータがとれるとは思わなかったです。実はこのCDIはJP製なのです。さすがJPです。特に低回転の爆発力はノーマルCDIどころかレーシングCDIよりも強かったです。レスキューどころか強化CDIですね。
それでは フルトラのイグナイターたちです。

まず、GN125用の5線タイプです。詳細はこちら
始動性100 出足110 低速110 中速108 高速107
最高速(1回目77.9km/h 2回目76.7km/h 平均77.3km/h )

次はJPのEN125用の8ピンイグナイターです。詳細は こちら
始動性100 出足110 低速110 中速105 高速105
最高速(1回目74.8km/h 2回目76.2km/h 平均75.5km/h )
さらに
最近入手した GN125用の高級レーシングイグナイターです。

台湾レーシングメーカーの板井イグナイターです。8ピンです。GN125系では有名らしいです。とっても高かったです。
始動性100 出足102 低速103 中速102 高速101
最高速(1回目72.9km/h 2回目74.0km/h 平均73.45km/h )

GN125系で中華最強と言われるACCOSSATOイグナイターです。アコサットと読むらしいです。イタリアのレーシングメーカーらしいです。中国ではにせものが多いので、ちゃんと直営店にて買いました。こちらもとっても高かったです。
始動性100 出足102 低速103 中速102 高速101
最高速(1回目74.2km/h 2回目73.0km/h 平均73.6km/h )
ヴェクスターでのテスト印象は 板井イグナイターとアコサットのイグナイターはほぼ同じではないかと思いました。同じような点火マップなのだと思います。
今回のデータとりはこのくらいにしまして、また 別のイグナイターもテストします。予想どおり、フルトラは低回転が強くとても乗りやすいです。GN125用の5線タイプ(SX製)が特にいい結果でした。高速以外はレーシングCDIにせまっています。JP8PタイプもノーマルCDIを十分超えていますね。期待外れだったのは GN125用の高級レーシングイグナイターたちでして、ノーマルCDIよりはよかったのですが、SX5PやJP8Pよりも低速が弱かったです。爆発力がよわかったです。おそらく高速にふっているのでしょう。もともとGN125系用で ヴェクスター用ではないのでしかたないですね。(高かったのに・・・涙)
2020.10.26頃~
ヴェクスターのフルトラ化(他にも流用CDIも)にて、避けられないのは オートチョークの配線をどうするかです。(ヴェクスターのCDIの内部にはオートチョークの管理回路があるのです。)以前(2016)に開発したときは ホンダ方式(交流方式)にて、ジェネレータコイルの3相のひとつから分岐して、もうひとつはアースに落としました。参考こちら
その時感じたのは チョークオフに時間がかかることでした。なので、もっといい方法はないかと考えていたのですが、3相のふたつから取ることでした。これならおそらく2倍ぐらいパワーでそうです。
また マメ知識として書いておきますが、キーonで電流が流れる線にオートチョークをつなぐのはやめた方がいいです。なぜなら、キーonでどんどんチョークがオフになっていきますので、もたもたしていると(エンジンがぐずったり、かぶったりしたとき)チョークがオフになってしまい、エンジンがかからなくなってしまいます。遠出したときエンジンかからなくなたったら最悪ですね。チョークはエンジンがちゃんとかかってから オフにする配線をしていきましょう。
早速実験にとりかかります。

ジェネレータコイルの3相のふたつから取る ハーネスを製作しました。
単に2配線をオートチョークにつなぐだけです。ジェネレータコイルやメインハーネスを切断などしたくなかったので、間にかませるものをつくりました。オートチョークの下側の配線がギボシ加工してあるのは、ここからアースに接続して、1相仕様にもできるためです。

実験風景です。この写真は2相仕様です。
それでは 実験結果です。エンジンonにてチョークの移動量を計測します。実験にはオートチョーク新品を利用しています。
外気温約 20度でした。
2相仕様 1分経過+2.5mm 2分経過+4.5mm 3分経過+6mm 4分経過6mm
1相仕様 1分経過+2mm 2分経過+4.5mm 3分経過+6mm 4分経過6mm
この実験からは ほんのわずか、2相の方が伸びるのが早いですね。この程度だとほとんど変わらないですね。どちらもエンジン始動後3分でチョークオフです。2相仕様は2回実験しましたが、結果は同じでした。1相が遅いかもというのはどうやら思いこみだったようです。
ついで 直流方式でもテストしてみました。サービスマニュアルにあるように バッテリーに直結します。実験結果です。
直流仕様 1分経過+2.5mm 2分経過+4.5mm 3分経過+6mm 4分経過6mm
直流仕様は2相仕様と同じ結果になりました。実用問題としては1相でも2相でもよさそうです。また冬などは状況が変わるかもしれません。
またこれをオートチョーク交流化キットとして考えると チョークがへたってきたら 2相仕様にしてチョークオフを早めたりできますし、エンジン圧縮がおちてくるとチョークは長めにかけたいので、1相仕様にできるといいかもしれません。オートチョークを2段階に調整できそうでいいかもと思いました。
2020.10.28頃~
ヴェクスターのフルトラ化の実用化を進めています。チョークの次はイグナイターをちゃんと フロントカバー内に入れないといけません。テストのときは足元に置いていましたが、雨が降っては濡れてショートしますし、何よりも荷物を置けません。もともと ヴェクスターのCDI(点火ユニット)は フロントカバー内にあるのですが、私のヴェクスターはフロントラックに移動していますので、その中に入れます。早速配線を少し直しました。

フロントラック トランク?内に収めます。イグニッションコイルへの接続をメインハーネス経由にします。写真は8ピンタイプのイグナイターです。ついでにパルスコイルの配線を逆にしてみたら、逆相入力成功しましたので、パルスコイル側で配線する必要がなくなったことがわかりました。さらに配線がシンプルにできました。

フルトラ用のイグニッションコイルを取り付けます。私のケースではすぐにCDI式に戻すことが多いので、CDI用のコイルはそのままにして、フルトラ用のイグニッションコイルはその上側に置きました。ガッチリ固定できるところがなかったので、メインハーネスにひもをつけてぶら下げています。私はこのような固定で気にならないですが、他の人は気にしそうなので、CDI用のコイルと入れ替えて利用できるステーなどを探したいと思いました。イグニッションコイルへの配線はイグナイターと接続している青/白の線をフルトラ式のイグニッションコイルのマイナス側に接続します。

+12Vは以前のように、オートチョークへの配線が余っていますので、ここから+12Vを接続します。上の写真は以前のものですが、同じ配線です。

全体的に見た写真です。オートチョークも2相交流化していますので、この部分の配線がごちゃごちゃしてしまいますね。注意点は防水をしっかりすることです。降雨時に配線が濡れてしまうとリークしてエンジンが停止すると思います。私のケースではサイドカバーを外していますので、かなり上側にハーネスを持ち上げていますが、他の方はサイドカバーついていますので、もっと下側でも大丈夫だと思います。
この配線にて、降雨対策できましたので、フルトラのイグナイターを日常使用してみます。次はヴェクスターのフルトラ化日常ユースにて気がついてこと・インプレッションなどを書いていきます。
2020.11.10頃~

中華マジェスティ250用の社外イグナイターが届きましたので、ヴェクスターにて実験してみました。パルス入力を逆にすると通常使用できました。なので、走行データーもとってみました。
始動性100 出足100 低速97 中速97 高速100
最高速71.6km/h
となり、ほぼヴェクスターのノーマルCDIと変わらないですね。利用する価値ないですね。残念。
さて、ヴェクスターにてにフルトラ化して、実用していて、1か月ぐらいたちました。なので、気がついたことを書いていきます。ただ毎日乗っているわけではないです。ちょこちょこ イグナイターは入れ替えて利用していますが、SX5PやJP8Pがメイン使用でした。
・始動性がCDIよりあきらかにいい(冬の2週間放置後でもほぼ1発で始動しました。)
・低速トルクがあがりとても乗りやすい。少しアクセル開けるだけで進んでいきますので、楽です。不用意にアクセル開けれません。極端にいうと電動バイクのトルクのようです。
・高速巡航(例えば80キロ巡航)などで今までスロットル半分ぐらいあけていたのが、1/4ぐらいに落ちる。今までのアクセル半分ぐらいしか開けなくても80キロ巡航できます。つまり燃費がかなりよさそうです。
・再始動性もよくなった。例えば、コンビニなどによったときは今まではあまり再始動性よくなかったです。アクセルをあけないと始動できません。(オートチョークがオフになっているのと燃調を薄めにしているためです。)フルトラ化するとアクセル開けなくて再始動性できるときもありました。
・天候が崩れても 安定している。例えば、低気圧や雨が降っているときは多少CDIだと不安定なときがありますが、(レーシングCDIのためですが)フルトラのイグナイターの方が安定している印象です。
GN125用の高級レーシングイグナイターにて、最高速などをテストしてもみましたが、特にいいデーターは取れませんでした。最高速はやはり、SX5Pが一番よかったです。次はJP8Pでした。
現時点では、SX5Pがベストでして、高速側も別にレーシングCDIとそれほど変わらないので、このまま乗っていこうと思っています。
将来的にはマッピング可能なフルトライグナイターを入れれば、最強になると思いました。
燃費野郎の私は フルトラの方が好きです。
現時点では フルトラ化のデメリット感じられないです。配線が複雑になることぐらいでしょうか。
さらに最近 CDIとフルトラの違いについて調べていて、4STであれば、フルトラの方がトータルでいいみたいです。例えば、2万回転まで回る昔のレーサーCBR250RRなどもフルトラです。CDIではないです。CBR400Rもフルトラです。てっきりCDIだと思っていたのですが、違いました。唯一NSR250などの2ST勢がCDI採用でした。高回転はCDIの方がいいというのは2STに限られるのかとも思います。4STであれば、高回転もフルトラの方がいいのだと思います。でなければ、昔のCBRもCDIを採用したはずです。つまり点火に関しては 4STはフルトラの方がいいみたいです。125クラスの4stバイクでCDI採用が多いのは、コストダウンのためだと思いました。おそらく、グラストラッカーがCDI化したのはコストダウンのためだと思います。
まだ 試したいフルトライグナイターがありますので、開発は続きます。
最近中国の税関が急に厳しくなり、点火器の空輸できなくなりました。
つづく
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